コーリニアアンテナdeド田舎~実験報告

と言うことで、8月は毎年恒例、お盆の帰省をしていました。帰省と言えば、帰省先は、インドネシア人もびっくりの(このネタどこかで使ったなぁ;苦笑)超ド田舎。改めて言うまでもありませんが、半径数百メートル内の民家がたった4件、同じ自治区内に広げても人口50人、行政単位(町)にまで広げても人口わずか5000人と言うすごい田舎です。もう、本当に、山以外何もありません。一番近いコンビニまで6kmです(爆)。

で、こんなすごい田舎なので、Dポのエリアになることなんて私が生きている間はないだろうなぁ、と思っていたんですが、何がどうしたのか、Dポが基地局を建ててしまいました。それが約4年ちょいほど前の話。いえ、実際に基地局があるとは言っても、私の実家そのものからは遙か彼方なのですが、これがまた、何がどう間違えたのか、電波が実家まで届いちゃったから、そりゃもう大喜びです。早速ポケットレピータを借りて、実家の二階にしか届いていなかった電波を実家周囲一帯に中継することになりました。と言うことで、ともかく通話とメールに関しては私の実家は全く不満のない完璧な環境となったのです。とりあえず、参考までに地図を下に示しますね。

実家周辺地図
実家周辺・・・左の箱が実家、右下の方に見える三本の棒が立った謎の物体がDポの基地局です。また、いかに山だらけか、を示すために高度をざっと色分けで表示しています。茶色が濃いほど標高が高いと言うことです。ごらんのように、実家からはいくつもの山に阻まれて基地局への直接の見通しは0なのですが・・・2km近くもの距離をものともせずに電波は届いちゃってくれてたりします。一応、近所に二局はあるのですが、右上にある基地局は通常は全く電波が届きません。ちなみにこの地図は国土地理院地形図を、縮尺のみ変えて、デフォルメしたものです。

さて、上では「通話とメールに関しては」と書きました。そうです、一つ難をあげると、それはデータ通信。せっかくのPHSなのに、データ通信が不便というのは困ります。去年以前なら、データ通信はPIAFS64kでやっていたので、ポケットレピータでも十分だったのですが、去年AirH”が始まり、そしてそれを契約しちゃったからさあ大変。レピータを通すとパケット通信の速度がひどく落ちてしまうんですね。それでも、窓際に端末を持っていけば実局を掴むことが出来るので、この方法で十分満足な通信環境を得ていました。

しかし、ここに来てさらなる問題が持ち上がってしまったのです。そう、128kAirH”の開始です。もちろん、私も開始とほぼ同時期に購入して、利用するようになりました。それが今年の四月始め。そう、今回の帰省は、128kAirH”が始まってから私にとって初めての帰省となったのです。もちろん、一局しか見えない実家の環境では128kの威力は大幅にそがれてしまうことは目に見えています。う~ん、困ったなぁ。

・・・とまぁ、あまり下手に引くのはやめましょうね。私には、コーリニアアンテナがあります!そう、今回の実家行、なんとアンテナを携えての旅行だったわけです。と言うことで、今回、アンテナによって環境を改善しつつ、アンテナの性能の極限を徹底的に調査してみようと言う実験も兼ねてアンテナを持っていって見ました。

アンテナ設置状況 アンテナをどのように設置したかと言うと、これは簡単、屋根の上に立っているCSアンテナ、この支柱を借りて設置することにしました。ただこれは、実はちょっとした問題ありです。と言うのも、CSアンテナ、アンテナと言うぐらいですから、電波の吸収効率は非常に高いです。つまり、コーリニアアンテナに対しては困った障害物になりうると言うことです。今回の設置状況では、基地局のある(であろう)方向に対して右90度の位置にCSアンテナがあります(つまり、右の写真で言うところの、写真手前側に基地局があります)。ですから、とりあえず、基地局方向にはそれほど障害物はないのですが、水平方向無指向性のコーリニアアンテナにとってはやや厳しい条件と言わざるを得ないかも知れません。本当はもっといい場所を探したかったのですが、さすがに、実家にかえっているところで、いきなりそんな大工事を始めちゃうのも・・・(笑)。

さて、こういう状況で、とりあえず、電界測定を行うことでいろいろと性能を評価していくことになります。まずは、アンテナも何も無し、直接波も届いていないような位置での電界測定結果・・・

アンテナ無し、最寄り局からの見通し無しの結果

AH-G10の結果
レピータ 79dB

PS-C1の結果
レピータ 66dB
最寄り局 20dB

KX-HV200の結果
レピータ 69dB

以上のような電界測定結果になりました。PS-C1を除いて、レピータ以外の基地局は見えないようです。レピータは目の前(約2mの位置)に置いてあります。ですから、レピータの電界強度自体は全く変わらないはず・・・なのにこの差。すなわち、端末内で、端末の感度に合わせて下駄を履かせていると言うことが分かると思います。一番数字が小さかったPS-C1基準で、HV200が+3dB、AH-G10が+13dBほど、デフォルトで大きめに出ているようです。逆に言えば、同じ条件で測定すれば、これらの端末間にこれだけの感度差があるということになるというわけです。やはり、PS-C1は最も感度が良い端末なのですね(唯一、最寄り局を捕まえられましたし)。

さてそれでは、次に直接波が捕らえられる位置に持っていって電界測定です。

アンテナ無し、最寄り局からの見通しありの結果

AH-G10の結果
レピータ 79dB
最寄り局 29dB

PS-C1の結果
レピータ 66dB
最寄り局 28dB
第2局  17dB

KX-HV200の結果
レピータ 69dB
最寄り局 27dB

と言う感じになりました。とりあえず、やっぱりPS-C1だけ多めに基地局ゲットです。やっぱり何か違うのかなぁ。で、これが見通し位置で端末単体での結果ですので、これが基準になります。では早速ですが、コーリニアアンテナを繋いでみましょう。繋ぐと行っても、コイル状のインターフェースを端末のいい感じの位置に近づけるだけです。どの位置に近づければいいのかは、それこそ端末により様々ですが、とりあえず上記3機種については最良の位置は判明しているのでその位置を使用します。

アンテナあり、最寄り局からの見通し無しの結果

AH-G10の結果
レピータ 79dB
最寄り局 34dB
第2局  24dB

PS-C1の結果
レピータ 66dB
最寄り局 30dB
第2局  20dB

KX-HV200の結果
レピータ 69dB
最寄り局 26dB
第2局  20dB

と言うことで、アンテナを接続することである程度改善できていることが分かると思います。何より、AH-G10で第2局を掴めるようになっているのが大きいです。私の実家周辺の基地局は第二世代辺りに相当するらしく、1局2チャネルにすべて対応していますから、2局あれば128k通信が出来るのです。一方、HV200は第2局を掴めてはいますが、最寄り局の電界強度は逆に落ち込んでいます。HV200の最適接続点は少々微妙なため、もっと良い位置が本当はあるのかも知れません。

さてっ、2局掴めることが分かりました!では早速、128kで接続してみましょう!

余談ですが、レピータがあると、AH-G10が128k接続時にどのような動作をしているのかが少しだけ分かります。レピータは128k通信の時は最優先で無視される局に当たり(通信速度が遅すぎて他のリンクの足を引っ張る可能性が高いため)、接続は為されないのですが、128kでの接続を指示すると、端末のアンテナランプがちらちらと色を変えている間に、レピータの「LINK」ランプが一瞬だけ点灯します。この点灯した瞬間が、おそらく端末が基地局に、基地局パラメータを問い合わせに行った瞬間と思われます。つまり、AH-G10(と言うか128kパケット通信)は、接続確立時に、周囲の基地局一つ一つに対して基地局パラメータの取得要求を出し、最も条件の良い基地局に最終的に繋ぐ、という動作をしているものと思われます。

さて、余談が長くなりましたが、接続してみます。アンテナ付きです。・・・繋がりました。速度計測用画像をダウンロードしてみます・・・。結果は、50kbps強です。おや、64kしか出ていませんね~・・・。いやでも、これは実際、そうでしょう。おそらく、ですが、第2局には繋がっていません。なぜなら、電界強度24dB・・・13dBの下駄を考慮すると、なんとたったの11dBです。こんなに弱い電波では、通常のPIAFSだってつながりさえしないはずです。と言うことで、結果としては、電界を強化できたが、新たに掴んだ基地局を使っての通信までは持ち込めなかった、と言うことになります。



ではでは、お次の実験。
以前、トランシーバ実験を行ったとき、物理的な壁に阻まれて最大距離を測れなかったことがありました。と言うことで、今回、再実験を行うことになりました。実験環境は前回とほぼ同じ・・・と言うことで、今回は省略。手っ取り早く結果の図だけ見ていただきましょう
トランシーバ実験結果
この図中で、緑のは通話できた位置、青のは通話できなかった位置です。ごらんのように、距離にして約800mまではトランシーバで通信が可能でした。一方、距離で約1.2kmぐらいの場所では残念ながら接続出来ませんでした。また、その間はというと、例によって家との間に見通しが確保できないため実験不可、と言うことに。しかし、それにしても、800mもの距離を繋げるとは、びっくりの結果です。



そして最後に、レピータとの接続実験。
実は、今回はこれが一番の大ネタ・・・の予定だったのですが、レピータアンテナとの最適接続点を見つけだせません。どうやって探したか、と言うと、見通しが全く取れない、電波の届かないところにレピータを移動し、そこでインターフェースをいろいろと動かしてみてレピータの電波強度ランプを見つつ、実際に通話もしながら、雑音の乗り具合などで調べるというもの。しかし、これがまた、ビッとはまる位置が全くないわけです。レピータのアンテナ上をインターフェースをゆっくり動かしていくと、通話にパリパリっと雑音が乗る、電界強度の「節」のような位置が3カ所ほどあるのが分かりました。どうやらレピータのアンテナ、4段コーリニアアンテナになっているようです。ですので、最適接続を行うには、インターフェースも4段コーリニアが必要だと言うこと・・・はちゃ~。残念ながら私にはコーリニアアンテナを自作できるほどの技術はないので、レピータにコーリニアアンテナ、というネタはオアズケということに(苦笑)。

と言うことで、今回の実験でも、結構な結果を出してくれたコーリニアアンテナ。あの超田舎で結果を出せるなら、完全なエリア外でもない限り、コーリニアアンテナが効果なし、と言うことはおそらくないでしょう。

実験協力:High-Powered Antenna SKYNET
アンテナ直販フォーム!お問い合わせもこちらからどうぞ。


戻る