コーリニアアンテナでどこまでトランシーバ通信できるか?

ことの発端はコーリニアアンテナ離島実験。この実験で、電波はしっかりつかめるのに、送信が通らないために通信ができなかった、と言うことがありました。つまり、コーリニアアンテナで送信がちゃんと増幅されているのかが、実は不鮮明なままなんですね(もちろん、アンテナですから送受信同じ特性であるのが普通なんですが)。と言うことで、今回は、その送信についてどの程度まで強化されているか・・・を実験してみようと言うのが今回の趣旨です。

しかし、どうやったらコーリニアアンテナによる送信を検証できるのか・・・送信側にアンテナを取り付け、受信側でも自分で評価できるもの・・・と言ったら、もちろん、トランシーバ機能です!こういうとき、PHSは良いですね。やっぱり、電波に興味を持つものにとってはPHSほど良い被検体はありません。と言うことで、下の写真のようなシステムを組んでみました。
トランシーバ実験システム
これがシステム(笑)です。
ええ、システムと言うほどのものではありません。トランシーバには、高感度に定評のある京セラPS-C1を使用しています。PS-C1には、イヤホンマイクを繋ぐと指定時間で自動的に着信に応答すると言う機能があります。ですので、イヤホンマイクを繋いで、自動応答時間を0秒にしてあります。また、PS-C1の最適接続ポイントは、インターフェースをアンテナに対して垂直に、端末の一番てっぺんの位置に近づけたところです。これは、多分ダイバーシティ用の内部アンテナに繋がっているようです。イヤホンマイクのマイク側は、PCのスピーカに取り付けてあります。このスピーカからは、PCの音が出ます。で、PCでは音楽をなりっぱなしにして置くわけです。これで、トランシーバのもう片側から電話をかけると、PCで鳴っている音楽が聞こえるというわけです。ちなみになんでこんな妙ちくりんなセッティングかというと、AH-G10で使うのとでいちいちインターフェース位置を変えたくなかっただけです(笑)。ちなみに、トランシーバの片割れは、これまた高感度で評判のよかったDL-S200。なんのことはない、私の旧機種2台なんですけどね。

このセッティングを見ての通り、PS-C1はトランシーバ通信をするにはあまりに不利な姿勢です。と言うか、ほとんどこちら側に筐体が露出していません。ですから、屋外から通信しようとすれば、ほぼ100%コーリニアアンテナを経由しての通信となります。と言う形で、コーリニアアンテナの双方向性を試験してしまうわけです。

とりあえず、接続してみましょう。目の前ならよゆー。音楽もばりばり聞こえます。あたりまえですね。それでは、そのまま玄関を出てみます。鍵をかけて、と、がちゃん。そのままてくてく歩きます。まだ聞こえますね。20mほど歩いたところで住宅地に入ります。2階建ての住宅地で、道幅は約1m。見通しは失いましたが、音声は良好です。そのまま100mほど歩いたところまで行くと少し広い道に出て、より建物が立て込んできます。この辺で少し雑音が乗りますが、少し歩くとまた音声良好。さらに100mほど歩いて踏切をわたると駅です。駅から50mほど歩いたところで、音声に雑音が乗り始めました。さらに50mほど先にスーパーマーケットがありますが、そのスーパーの先の角まで言ったところでひどい雑音とともに無音に。とぎれとぎれで音声は聞こえますが、概ねここが限界でしょう。
通話限界位置の町並み
この写真が、通話が限界になった場所の町並みです。家からは直線で200mぐらい。写真左上の街灯が光っている方向に家があります。ちなみに駅は通りの先、右側です。ここまで全くの見通し無しで届くとは、これはこれで驚きの結果です。

さて、では、今度は見通しでどこまで通るか実験です。とはいえ、この辺はのべーっと低層住宅地で、見通しのとれるような高い建物はあまりありません。ようやく見つけたのは、直線距離で300mの所にある4階建てのマンション。入り口にオートロックもなく、階段側から偶然我が家の方へ視界が開けています。と言うことで、そーっと上って、発信してみると・・・聞こえます!しかも、かなり良好な音質です。雑音ゼロ!見通しでは、この程度の距離は余裕のようですね。

では、さらに遠くを狙いましょう。隣の駅まで約1kmあるのですが、そのちょうど中間の位置に、またもや入れそう(笑)な雑居ビルを発見。がんばれば、階段から自宅への見通しもとれそうです。そーっと上って・・・素早く発信!通りました!しかも、またも雑音は無し!すばらしい音質です。距離的にはこの倍くらいでも余裕かなぁ・・・という感じです。

ここでアクシデント。ビルに入居している薬屋さんのおじさんが階段を上ってきます。マズイ!と言うことで、何食わぬ顔で階段を駆け下りて立ち去りました(冷や汗)。

さらに遠くへ、と、付近を見渡すと、自宅側に向いた非常階段を持つマンションを約700mの位置に発見。喜び勇んで近づいてみると・・・はい、やっぱりそうです。非常階段、がっちりと閉じられてました。非常階段閉じちゃダメじゃん・・・ほんとに火事になったらどうするんでしょ、ここ。全く、管理がなってません!(自分が侵入できなかったからと好き勝手言ってます;笑)。あ、私みたいなのがいるから閉じてるのが(爆)。

さて、そこより先は、隣の駅の付近にある山に阻まれて、見通しのとれる位置がありません。また、私の家の東側は断崖絶壁でもちろん見通しはとれません。北側は、500mで海なんです。あぅ、物理的に行き詰まってしまいました・・・と言うことで、実験終了!
結果地図
と言うことで、今回の実験をデフォルメ地図にまとめました。さすがに本物の地図を使うと私の家がばれちゃうので(笑)。右上の建物が、300mの位置の建物、中央の建物が500m通信に成功した建物です。上部に横向きに走っているのが国道で、その国道はそのすぐ北の海岸線に沿って走っています。と言うことで、ここより北は不可なんですね。

とまあ、こういうわけで、トランシーバで500mもの距離を余裕で繋いでしまいました(しかも端末本体はまともに通信できるようなセッティングではない)。500m、と言えば、それは、DDIポケット基地局の公称エリア半径。そうです、このコーリニアアンテナ、本物の基地局のアンテナと同等の性能を持ってしまったすごいヤツだったんですね。



実験協力(笑):雑居ビル&マンション(ご協力(?)ありがとうございました)



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