コーリニアアンテナレポートその2

世の中便利になったものです。公共料金の支払いはコンビニでできるようになりましたし、東京近郊のバスはすべて共通のカードで乗れるようになりましたし、PHSの電波強化用コーリニアアンテナはネットで簡単に買えるようになりました。と言うわけで、どっかで見たことのある引きに対するツッコミを無視しつつ、またも改めてSkynetさんのコーリニアアンテナについてのレポートをアップしてみましょう。


実験の目的

まず、なぜに改めて、というところなんですが、えーと、過去のレポートをよく見てください。実は、きちんと電界測定をして比較したものが無かったりするんですね、これが。一番最初の試用レポートでは、確かに電界測定こそやっていますが、当時はまだAH-G10がAT@Kコマンドに対応する前。そのため、5段階表記の電界強度しか得ることが出来なかったわけです。言ってみれば、ほとんど定性的な議論しかできていなかったに等しい状態。これは、アンテナの性能を性格に見積もるにはいまいちよろしくない状況です。

ところで、私自身にも、あのレポートを書いたあと、環境に変化がありました。言わずと知れたお引っ越しです。引っ越し後は、実はDポ環境自体は良くなっているんですが、住む部屋が前回2階だったものが1階に変わってしまいました。2階に住んでいる時は、ベランダから支柱を延ばして屋根の上までアンテナを出しちゃう、なんて言う超大技が使えたりしたんですが、一階に住んでいるからにはさすがに上の階の住民を無視してそんな高いところに上げるわけにはいきません。まぁじっさい、以前の私のように屋根の上に出しちゃう、なんて使い方を日常的に出きる人の方が実際少ないわけですから、現在の私のような厳しい環境でどの程度の改善効果があるのかを見てみることに価値がないとは言い切れないような気がしないでもない感じというかなんというか。


設置環境

と言うわけで、まずは、どのような設置を行ったか、と言うところを説明しなければなりません。まずは下の図をご覧ください。
アンテナ設置位置
家の回りは、かなり急勾配の斜面に住宅地が発展しているようなところです。ちょうど、駅からすぐに勾配が始まっているような感じ。自宅のすぐそばに1基、駅回りにごろごろと、という感じで基地局があることを確認しています。家の前はちょっとした崖。というか、目の前に建っている家の石垣が目の前にある感じで、見通しは結構悪いですが、駅方向にはちょっとだけ見通しがあるため、駅回りの基地局を結構使えます。
家は、二階建てアパートの一階。バルコニーがあり、そこに洗濯物干し台があります。そこに横方向に支柱(物干し竿とも言う;笑)を渡して、その先にアンテナを立てました。上の住民に干渉しないよう、上方向への延長は一切していません。図中に上の部屋も一応入れてみました(笑)。


使用端末とインターフェース

ということで、では早速実験・・・といきたいところですが、まずは、使用端末とアンテナインターフェースの設置状況をお知らせしましょう。

使用端末は、AH-N401C。言わずと知れた、CFカード型AirH”の大ヒット作です。特徴はなんと言っても可動・取り外し自在の外部アンテナ。取り外しちゃえば、内蔵アンテナでの動作となる、というオモシロ設計です。もちろん、この取り外したあとのコネクタにアンテナを直結・・・なんてのは違法ですからダメです。やっちゃダメ。っていうか普通に壊れますから、本当にやめてくださいね。

アンテナインターフェースの設置ですが、以下のようになりました。

アンテナ無し アンテナあり
アンテナ無し アンテナあり
アンテナ無し アンテナあり

実際のところ、アンテナ頂部にインターフェース端を接するように設置すると良い、ということが過去の経験から何となく分かって入るんですが、その頂部に接するように設置するのがとても不安定、というか、ぶっちゃけ、ちょっとしたずれでかな~り効果が落ちちゃうんですね。諸刃の剣とでも言いますか。で、十分安定していてしかもそれなりに効果のある設置方法、というと、実はここで上げた、インターフェースコイルの中にアンテナを突っ込んじゃう、という設置方法になります。この状態で実際にどの程度、アンテナの効果があるのかを測定してみました。


実験結果と考察

ということで、早速、実験をしてみましょう。上で説明したとおりにアンテナを設置した状態と、アンテナインターフェースを取っ払っちゃった状態二つについて、電界測定を行ってそのデータを集計します。

ちなみに今回の実験では、でんそくんを使いました。測定条件は、3秒間隔での10回測定。10回の平均を測定結果としています。

何はともあれ実験結果を見ちゃいましょう。下の図は、実験結果をexcelで整理し、グラフ化したものです。

実験結果

ちょっと画像が大きくてウインドウサイズを小さくしている人には見にくいかも知れませんが、この図、基地局ごとの電界強度を棒グラフで示したものです。下に並んでいるA、B、C、・・・というのが基地局を表しています。で赤い棒がアンテナあり、青い棒がアンテナ無しのときの結果で、それぞれ実測値もついでに入れてあります。実測値はdB、より正確にはdBμ(/m)です。

まず何はともあれ目立つのが、実際に捕捉できた基地局数の大きな差ではないでしょうか。アンテナのない場合は12局しか捕捉出来なかったところ、アンテナを設置することで22局も捕捉できています。アンテナを設置することでより遠くの基地局まで補足圏内に入れることが出来たと言うことを示しています。

また、その絶対値も、アンテナを設置することで大幅に上昇しています。最も顕著なのはA局で、47から61まで、実に14dBも上昇しています。これを除けばそれほど極端な上昇はありませんが、それでも平均して6.75dBの利得が得られていることが分かります。

さて、この結果からどういうことが言えるのか、ということなんですが。

まず、基地局数が大幅に増えたことは、速度アップと安定性に必ず効果を示します。128kを使っているなら、使える基地局数が増えるわけですから、当然速い速度がでやすくなるのは当たり前ですが、32kで使っているとしても、速度が速くなる可能性があります。それは、パケットで接続するときや、一時的に無線リンクを開放(これはユーザが意識しないところでAirH”がこっそりやってます)したあとなどに、接続候補の基地局に対してパラメータ要求を出して、最も空いている基地局を最終的に選ぶ、という方法を使っているためです。捕捉できる基地局がたくさんあるということは、それだけ、確率上は空いている基地局を選択できる可能性が高まる、というわけです。

またその絶対値を見てみます。実際快適に通信できる電界強度というのは25dB以上ということが過去の経験から分かっていますが、その基準をクリアしている基地局数もかなり多くなっていることがおわかりですよね。特に、田舎の方でそもそも基地局が近くにない、というような条件というのは、Lのような基地局が近くに1~2局あるだけ、という状態に相当します。これが、アンテナを設置することで、19dbから28dBへと、十分快適に通信できる電界強度まで持っていけているのが分かるかと思います。また、田舎でも十分広い範囲を見渡せば、MからVに相当する基地局がどこかにあって、アンテナを使うことでひょっこり顔を出す可能性も十分にあります。

以上のように、都市部で混雑のために速度低下している場合でも、郊外で電界強度が足りないという場合でも、それなりに効果を発揮する可能性はありそうです。

ちなみに、一つだけ例外、それはH局のことなんですが、アンテナを設置することで電界強度が落ちています。これなんですが、一つの可能性としては実電波とアンテナからの誘導電波が干渉して弱めあってしまったという現象である場合があります。ただ、これが起こるのは結構条件が厳しいです。実際のところは、上の設置写真を見ても分かるとおり、端末のアンテナそのものを、インターフェースに繋ぐために寝かせてしまった効果がアンテナを接続した効果を超えてしまった、というような出来事が、H局に対しては大きくでてしまったのであろうと思われます。


まとめ

コーリニアアンテナを設置することで、次のような効果を期待できます。

すべての基地局に対して、電界強度の増加が見込めます。
今回の実験では、平均して6.75dB、最大で14dBの電界強化効果が認められました。このことにより、通信におけるFER(フレームエラーレート;ノイズによるデータの損失)を下げることが出来、結果として通信速度の向上が期待できます。

捕捉できる基地局数を大幅に増やすことが出来ます。
今回の実験では、ノーマルで12局だった場所で、22局にまで増やせました。このことにより、パケット接続時に混雑率の小さな基地局を選択できる可能性が増し、速度の上昇が見込めます。また、128kパケットでは速度の安定性が大幅に向上します。


と、何となくまともなレポートっぽく書いてみたんですが、なんかいまいち分かりづらいなぁ・・・(笑)。


Special Thanks:Skynetさん

実験協力:もちろんSkynetさん

コーリニアアンテナの直販フォームを設置させていただいています。
コーリニアアンテナ直販申し込みフォーム
戻る