年末恒例回顧録・2003年のDポとかを考える


◇ということで、いよいよ、今年2003年も終わりに差し掛かりました。例によって、今年一年を締めくくる「コラム」で、こrのページの本年の更新も締めさせていただきます。取りあえず今年一年お付き合いどうもありがとうございました。

◇さて、今年のDポ、なんとなーく、ぼんやりとした閉塞感と共に明けたように記憶しています。昨年暮までに、データ端末で言えばCF型、USB型、SD型と一そろいの端末がそろってしまい、音声型では、HV210を最後に新端末の噂も何も無いような状態。薄ぼんやりと、ですが、今後どうなってしまうんだろうなぁ、という漠然とした不安感がありました。DDIポケットは、相変わらず、ユーザに対してはだんまり状態を決め込み、一方、携帯電話各社はこれでもかと言うほどの多機能端末を連発、また、細々としたサービスも徐々に充実し、Dポはいつのまにか置いてけぼりのキャリアとなっていってしまっている、そういう感覚を徐々に感じつつあったことを覚えています。この感覚は、正直今でも続いていますし、当初よりより強く感じているのも事実です。ぶっちゃけ、Dポの2003年は、全体的にこういう感じはありましたね。

◇その後、二月も末になって、ようやく大きな動きが見られました。そう、言わずと知れたAirH”Phoneの発表です。これは、それまでのサービスを一からひっくり返し、パケット方式を一般コースに開放&パケット課金サービスの開始、という、Dポのサービスに大きな変革をもたらしたものでした。ただ、その実際にやったことと言うと、携帯電話各社がそれまでやってきたことに追随しただけであり、また、端末そのものについても、元々、アステルのドットiやドコモPHSのブラウザフォンでやっていたことを単にパケット対応にしただけのもので、私にはどうしてもこれを「DDIポケットのPHSが進化した瞬間」と見ることが出来ませんでした。むしろ、メール体系の整理縮小などを見るにつけ、「DDIポケットのPHSは、PHSとしての独自性の追求をやめ、携帯電話側に擦り寄っていきます」と宣言をされたような気分にさせられたものです。

◇さて、ほぼ同時期に、ライバルであるドコモPHSより、二つの発表がありました。一つは、言わずと知れた@FreeDの開始、もう一つは、腕時計型PHS、WRISTOMOの発売です。@FreeDは、好調な定額モバイル市場への参入を狙ったドコモPHSの新料金サービスで、AirH”より安い値段でAirH”より高速な通信が定額で利用できるものとなっていて、そのままならDDIポケットのAirH”は完全に食われてしまうと思われました。が、結局の所、エリアや接続性の差から、現在ではある程度すみわけが為されているようです。もう一つのWRISTOMO、これは、まさに小型で省電力と言うPHSの利点を存分に利用した、実用レベルとしてはPHSにしか実現できない画期的な移動電話端末でした。開発元は、SDカードを開発したSII。長くDDIポケットにカード端末を供給してきたSIIが、まさか、と思ったものです。ただ、事情も分からなくはないんですよね、あの端末、DDIポケットではまず売れなかったでしょうから。端末価格があまりに高すぎ、潤沢に販売報奨金を出せるドコモでしか、現実的な値段で提供できないものだったでしょうから。現在でも販売ルートはネット通販のみに限られ、いかに販売費を切りつめてやりくりしているかが伺われます。逆に、こういう「広告費と割り切るしかない販売費用」に、DDIポケットがほとんどお金を出さなくなってしまっているんですよね。もしDDIポケットがここにお金をかけるつもりがあったなら、元々付き合いの深いSIIですから、DDIポケット向けに開発した可能性もかなり高いと思うんですよ。うーん、何だかさっきから愚痴っぽいですねぇ。

◇一方、PHS的に喜ばしいニュースとしては、4月から日本のPHSとして初めての国際ローミングサービスをDDIポケットが提供し始めました。ローミング先は台湾。純国産技術であるPHSが、海外に広がっていったことの御利益を、ローミングという形で直接受けられるようになった初めての機会となったわけです。ぶっちゃけ、今年のPHS、と言ったときは、この「初めての国際ローミング」と言うだけで終わっちゃっても良いくらい、というと言い過ぎですが、そのくらいの出来事だったと思っています。

◇そういうわけで四月を向かえ、個人的なニュースとして、例によって@FreeDを入手してしまったわけです。いや、当初は、純粋に「ライバルサービスとして比較すべしだよなぁ」と言う気持ちで手に入れ、もしかなり良い感じだったら乗り換え、というかAirH”の128を外してその浮いたお金で@FreeDをメインにしても良いかなぁ、と思っていたのですが、まぁそのなんというか・・・エリアがあまりにアレでねぇ・・・。と年寄りみたいな言い方でごまかしていますが、今でもそれなりにちゃんと使ってますよ。会社周辺やその他行動範囲で使える場所は把握しているので、移動せずに使うなら@FreeDで、みたいに使い分けてます、無理矢理(笑)。ただ、やはり上下対称でギャランティな64kですから、PDAで使うときはAirH”よりは使用感が良いので、それなりに使わせてもらってます。

◇個人的な、というと、ちょうど同時期に、2年物の熟成回線を手に入れてしまいました。これは何かと言うと、まぁぶっちゃけ家族でH”を解約すると言う人が出たので、あぁ、じゃぁその回線ちょうだい、ともらっちゃっただけなんですが(笑)。その後、標準データ割2年=1255円で維持していました。そして、まぁなんとなーく、なんですが、6月頃、AirH”Phoneを手に入れてしまったんですね。これは、現在でもWEB放題専用端末として活躍中です。12月末でWEB放題が切れてしまうのでその後で整理しようと思っていたのですが、またも延長と言うことになってしまったため、もうしばらくはWEB放題で遊ばせてもらう予定です。

◇そしてその頃から秋辺りまで、Dポは昨年とはうってかわって積極的に展示会に顔を出し始めました。特に、そのメインテーマは、「高度化PHS」です。Dポの展示は、たとえば、256kパケット。これは、従来32kを4チャネル束ねていたものを、高度化規格で使えるようになった新しい変調方式に変えることで1チャネル当り64kに増速し、64kx4=256kとした、と言う所がキモです。さらにDポは独自のアクセラレータで、実効700kbpsまで速度を上げてみせる、という展示も行っていました。また、基地局開発の雄、三洋電機も高度化PHS関連の展示を活発にし、Dポが展示していた256kはもちろん、同じく高度化規格で可能になった3倍の帯域を利用した方式により、最大1Mbpsの通信が出来る基地局(のモック)を展示していたりしました。三倍の帯域を利用する方式はまだちょっと実運用するには様々な壁がありますが、変調方式を変えるだけの方式なら基地局さえ対応すればすぐにでも展開できるそうで、近いうちに実現するかもしれません。また、これとは別に、従来の基地局をそのまま使って32kx8で256kを実現する方法も発表しており、実はこれは来年度早々にでも運用を開始しそうな勢いです。まぁ、リンク数が増える分、速度安定性は落ちるわけで、早い所高度化規格対応でやって欲しいと思う所です。

◇さて、少し話はさかのぼりますが、7月、DDIポケットは、H”として初めてカメラ付き端末H-SA3001Vを投入しました。長い間のカメラ付き待望論に押された感じでのカメラ付きの発売でしたが、まぁご存知の通り、AirH”Phoneではなく普通のH”。それでも、それはそれで使い道はあるし、特にH”ユーザ同士なら、二人ともSA3001Vに変えれば、Eメールでも直送メールでも写真を送りあえると言う利点はあるわけで、私としては、カメラ付きH”第一弾としては十分及第点だと思っています。

◇そして、秋、下半期になって、DDIポケットは思いもよらぬ方向に動き始めました。いや、AirH”のスピードアップだとかネットワークの最適化だとかは、まぁこれまでずっとやってきた方向性だったから分かったんですが、いきなり「エリア広げます」ときました。もちろん、それまでやっていなかったかと言うとそういうわけでもなかったのですが、この下期は、突然明確に目標を設定してそこまで拡大します、と宣言してしまったのです。その目標は、開業市町村数で2千余、人口カバー率で95%超を目指すと言うものでした。同時にHP上には開業都市、予定都市が掲載されるようになり、珍しく短いスパンでエリアマップも更新され店頭に並びました。現状のエリアは、企業ユーザ、データユーザには十分すぎるほどあるにもかかわらず、このエリア拡大は一体何なのか、イメージ回復作戦か個人音声に再度力を入れると言うメッセージなのか、その答えは来年以降徐々に分かってくるのでしょう。

◇そして今年も終わりに差し掛かって、ADSLとの割引きの拡大、圧縮サービスの適用拡大と言う、AirH”ISP向けのサービス拡充を行いました。どちらのサービスも、DIONばかりが優遇されていたこれまでのAirH”サービス、これをどのISPでも公平になるように拡充されたもので、こういう「同じグループだから」と言うだけの理由での差別を徐々に無くしていくと言う方向は実に良いことだと思います。ISP的にも、AirH”利用者が「ADSLも契約すればAirH”も安くなり、結果としてわずかな月額増でADSLも持てるならADSLも契約しちゃえ」とADSLに加入してくれるわけで、かなりオイシイサービス拡大なわけです。

◇そして12月には、やはり今年を締めくくるにふさわしく、国際ローミング先の追加と言うリリースが行われました。ローミング先はタイ。事実上、PHSキャリアとして海外で安定してサービス中の二カ国のキャリアとのローミングはこれで完了したと言うことになります。中国はまだぐちゃぐちゃごちゃごちゃしていてローミングどころではなさそうですが、これもじきにそういう話になっていくでしょう。また、それ以外の国でもPHS導入黎明期だったりまだ準備中だったり検討中だったりする国はたくさんあります、こういうところとのローミングも、順次対応していってくれるのではないか、と期待させてくれる、ローミング国の追加でした。

◇そういうわけで、まぁ、ぶっちゃけ、あまりぱっとしたニュースが無かったと言うのが今年のDDIポケットとPHSなんですが、大きなニュースでは悲しいニュースもありましたね。九州アステルの完全停波。また年末になって北海道も停波時期を示しての停波宣言をだし、PHSと言うものが時代の中に埋もれていくそのまさにその瞬間がついにやってきたか、と思わされてしまったのも、今年の大ニュースの一つです。赤字も大きく個別経営でスケーラビリティの低いアステル系各社が、まずこの波に飲まれていくことになるのでしょうね・・・。でもアステル系でもまだがんばっている所もあり、ぜひともアステルの灯を消さぬようがんばって欲しいものです。

◇ということで、Dポに対する閉塞感から始まり、アステルショックに伴う悲哀で終わったのが2003年。PHSが、もはやそれだけでは生きていけない時代がこようとしているのかもしれません。一方、その技術は海外で花開き、国際ローミングと言う大きな鮭になって帰ってきたのも今年でした。まだまだ中国にもPHS開発、特にデータ利用の促進の余地はあり、海外との協調による発展、という新しい展望がPHSに見えてきたのも今年です。来年は、海外、特に中国とのPHSの共発展という点に注目したいものですね。

◇というところで、今年の全ての更新はこのコラムにて終わりです。来年からもPHSが発展してくれることを祈りつつ、いや少なくとも停波しませんようにと祈りつつ(ガビーン)、これにて終わりにしたいと思います。本年もお付き合いありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。



戻る