DDIポケットを支持すると言うこと


◇これは、DDIポケットファンのみなさまのみならず、DDIポケットやDDIポケットを熱狂的に支持する人々に嫌悪感を持つような方々にも読んでいただきたいコラムです。題して「DDIポケットを支持すると言うこと」

◇これまでこのコラムは、根拠なく楽観的な意見を延べ、DDIポケットユーザのみなさんを勇気づけることを主たる目的としていました。言ってみれば、DDIポケットコアユーザ御用達のコラムという位置づけだったわけです。もちろん、私がこのコラムをスタートさせた当初のねらいもまさにそうでした。DDIポケットユーザのみなさんが、何かの話のネタにでも使ってくれれば万々歳、何かの拍子にお目にかかるだけでも儲けもんくらいの意識で始めたこのコラム、しかし、ただそれだけではいけないのではないかと思い、今回はちょっと気が重いながらも、やや重い感じのお話でこのコラムを書いてみたいと思います。こんな話を書こうと思ったきっかけは、ズバリQTNetのPHS(九州アステル)のサービス停止宣言、最終的な停波への動きが始まったことです。

◇DDIポケットは、データ通信市場でこそ世を席巻してはいますが、PHSという通信機器本来の利用法である音声通話市場では惨憺たる現状、言ってみれば瀕死の状態にあります。これは、Dポのみに限った話ではありません、現在サービス中のPHS事業者すべてに共通していえる現実です。そしてその最初のほころびがついに九州で現実化してしまったのはみなさんご存じの通り。九州アステルは最終的な停波を視野に入れ、サービスの新規受付を終了してしまいました。無線通信事業者にとって停波とは非常に大きな意味を持ちます。他社に吸収されようが本体がバラバラになろうが、電波さえ出ていれば、事業者の実体は存在するわけですが、ついにそれさえもやめてしまう・・・これは完全な消滅、死を意味します。そして、これは九州アステルだけに限った話ではないということに注意してください。他地方のアステルでも、経営がたちゆかなくなってきたところはありますし、DDIポケットだって停波の危機は常にそのそばにあります。いったん停波してしまった無線事業は基本的に二度と再興することはありません。だからこそ、世の中のDポファンの多くが、一生懸命Dポの良さを人に伝えようとし、Dポに「停波」という最悪の事態が降りかからぬようがんばっているのです。

◇優れたサービスが始まれば、劣ったサービスは駆逐される、それは資本主義の原則です。今、PHSの音声利用は捨てられ、移動体音声サービスとしてはすでにほとんど携帯電話の天下とも言っていいでしょう。私はこれまで常々、ブランドと流行りだけで携帯電話を選ぶトレンドに対して苦言を呈してきましたが、しかし、私としても携帯電話がこれだけ支持されている現実を認めないわけには行きません。携帯電話がなぜこれだけ多くの人に支持されているのか、それは、サービス開始当初から広くて安定したサービスエリアを提供してきたからです。スタート地点でついたこの差は、後からいくら追いかけても追いつけるものではありません。だからこそ、携帯電話は今、PHSを圧倒しているわけです。一度差が付けばその差は等比級数的に広がっていくのが資本主義の一般的な法則です。今やPHSはあらゆる面で大きく携帯に劣ってしまうようになってしまっています。

◇それでも、DDIポケットを支持する人がいるというのは、いったいなぜなのでしょうか。ごく一部の人は、盲目的にDDIポケットを支持し、ほかのサービスを否定することにある種の楽しみを持っているのは間違いないでしょう。これはある意味宗教的盲目さがあり、そういう部分に対して「信者」という言葉が生まれました。しかし、その他の多くのDポファンにとっては、DDIポケットのサービスのうちのいくつかが携帯電話に優っていることを知っており、まさにその部分がその人にとってもっとも重要視すべき携帯電話の属性であったということでしょう。たとえば私にとってはそれは音声品質であるわけです。

◇あらゆるところで携帯に劣っているDDIポケットのサービスを支持すると言うことは、非常に不自然に映るのはよく理解できます。それでも、支持している人にとっては、実に明快で当然な理由が存在すると言うことです。だからこそ、逆に、私は今、DDIポケットを支持するみなさんに一度考えていただきたいことがあります。それは、みなさんがDDIポケットを支持する理由はいったい何なのか、ということ。

◇データ通信、AirH”、メール放題、音声品質、安定性、待ち受け時間、料金・・・。ただ挙げるだけなら、簡単です。が、考え直してほしいのが、そんな中で本当にあなたが必要としている特長は一体どれなのか?ということ・・・。思うに、DDIポケット、ひいてはPHSを支持する人々の中でさえ、そのことをきちんと考え把握している人は少ないのではないかと思います。そして、私が考えるDDIポケットとPHSの凋落の原因はそこなのです。

◇ものを使うには理由が必要です。使わないのにももちろん理由はあります。しかし、「使う理由の方が使わない理由よりより強い」ということに注意してください。たとえば「ドコモのやり方は気にくわない、だからDポ」などという理由は実に弱いものです。使わない理由ではなく、使う理由をしっかり考えてください。そして、そうすれば、自ずと、Dポのサービスのために自分ができることが見えてくるのではないでしょうか。

◇それは、使うこと。単にもっと使えばいいのです。使う理由があるなら、もっと使えばいいだけの話です。そうすれば、もっともっとDポのことがわかるはずです。きっと携帯電話より劣っている部分がたくさん見えてくるでしょう。しかし、その一方で、必ず携帯にはない何か光るもの、あなた自身にとって有益な何かが見えるはずです。そして、もしあなたが躊躇しない性格ならば、人にそのことを伝えればいいのです。それがたとえ携帯より劣っているということを認めてしまうようなことであっても。それがなにに役立つのかなどと考える必要はありません。なぜならあなたは一人のユーザであり、自分にとって使う理由のあるサービスを使っているだけの人なんですから。「PHSはこういう部分で携帯に劣っている、だけど私は○○があるからこれからもPHSを使う」、もしあなたにとってそれ以外の利点が見つかったら「使ってみたらこう言うところもいいところがあるみたい」、この程度でいいと思います。私のHP制作ポリシーはどちらかというと、そういうスタンスでいます。「私はこういう理由で便利に使っています、こんな便利な機能もあります、みなさんもどうですか?」と。

◇なぜ私がこういうことを言うのか、それは、使うこと以外で正しくそのものを評価する方法は無いと言うのが私のポリシーだからです。たとえば、AirH”からDDIポケットを使い始めたような人、こういう人は、おそらくDポの音声通話など触ったことさえ無いような人でしょう。私はこういう人が、単にAirH”を使っただけで「AirH”サイコー!」なんて言っているのが何とも惜しく感じます。PHSには、それ以外にもプラスにもマイナスにもなりうる可能性があるにも関わらず、それらは評価さえされない・・・こうなると、世間的にはずいぶん悪評のたっているPHSは、評価される前から評価は決まっているようなもの。例えマイナスでも良いから、DDIポケットユーザのみなさんに、正しい評価を世に送り出して欲しいのです。だから、DDIポケットユーザのみなさんにお願いしたいこと、それは、使う理由を見つめ直すこと、そして、せっかくある理由で高い基本料を払うんですから、徹底的に使い倒し、なにが携帯電話より優れ、なにが劣っているのかをあなたの実感としてしっかりと把握してほしい、これなんです。

◇そして、もう一つ、DDIポケットを支持する人たちに伝えたいことがあります。それは、他社を批判することによりDDIポケットの優位を示すようなことをしないでいただきたいということです。もちろん、さんざん他社批判をこのページ上で繰り広げている私がこんなことを言うのは実におかしなことに聞こえることと思いますが、しかしその一方、私は、私がDDIポケットを支持する理由をきちんと表明しているということに注意してください。間違っても他社がだめだから私はDDIポケットを使う、とは言っていないはずです。DDIポケットのここが他社より優れているから、という言い方をしているはずです。確かにこの言い回しの違いは微妙かと思われますが、そこには消極的理由か積極的理由か、という大きな違いがあります。これは、結局先ほど言った「使わない理由でなく使う理由を」というのと同じことにつながっているわけです。

◇私はこれまでこのサイトのいろんな場所で何度も言ってきました、DDIポケットを、PHSを支持するみなさんがいる限り、DDIポケットはそれに答えるだろう、と。しかし、DDIポケットを支持すると言うことは、上に述べたように、もっとずっと難しいことなのです。DDIポケットの支持者の多くがそのことに気づいておらず、まだまだ「なんとなく」のレベルでDDIポケットを使い続けている、私にはそういうように思えてならないのです。厳しいことを言いますが、DDIポケットを支持すると言うことにはそれなりの覚悟が必要です。そして、おそらく、DDIポケットを使う明確な理由を持たない人にはこの覚悟をする事は不可能だとさえ思います。たとえば「機種が少ないから」という理由であっさり他キャリアに乗り換える人がいます。しかしその人がそれまでDDIポケットを支持し続けてきた理由は「機種が多いから」なのかというと、違うはずです。明確な理由を持たない人は、「機種が少ないから」という消極的理由でさえ捨てることがあり得ます。また一方で、「携帯はあんな機能がある、DDIポケットにもできるはず、できないならヤメ」というような人、これも、結局DDIポケットを持つ理由があるのではなく、単に自分が持つPHSに他社と同じ機能が備わってほしい、ただそれだけの人であるわけです。明確な理由を持たずに支持し続けることは宗教的不健全さを持っています。こういう人が信者と呼ばれても仕方がないわけです。「迷惑だからDポを使わないでください」とまでは言いませんが、一度、考え直してみてください、自分がDポを持つ理由を。

◇DDIポケットを追いつめているのは、巨大資本で圧倒する携帯各社であることはもちろんですが、一方で、しっかりとした自分の意見となにより持つ「理由」を持たない、こう言ったごく少数のいわば「ミーハーDポ支持者」でもあったりするのです。こういう人が単なる「ミーハーユーザ」止まりなら問題は無いのです。が、一般からはれっきとした「Dポ支持者」に見えるだけに、その人が些細な理由でDポをやめた瞬間、周囲の人は「支持者であるこの人もやめちゃうくらいだから大したもんじゃないんだろうな、Dポって・・・」と考え得るのです。

◇DDIポケットを支持すると言うこと、それは上に述べたように、非常に困難でリスキーな行為であると言うことをくれぐれも忘れないでほしいと私はここで訴え、今回のコラム終了とさせていただきます。




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