Dポのエリアはここがダメ!?


◇DDIポケットは、PHSとしては珍しくかなり広いエリアを持っています。それは、高出力・高性能基地局を基本にエリア構築をしたからで、おかげで、結構意外な場所で使えたりして重宝しちゃったりもします。ところが、この「意外な場所で使える」ということの裏を返せば、「ここぐらい、当然エリアでしょ」と思われる場所がエリアじゃなかったりするということでもあります。今回はそんなお話。

◇さて、なぜDポのエリアがこれだけ広く、かつエリア内で非常に安定しているのか、は、言い尽くされたことではありますが、開業当初からPHSには似つかわしくもない高性能の基地局を使っていたからです。そのカバーエリア半径は公称500m、実際は1~2km程度にもなります。ですから、基地局をでんと一つ構えるだけで周りが一気にエリアになってしまうという、ある意味効率的なエリア構築を行ってきました(もちろん、高性能基地局は値段もお高いのでしょうが)。そのおかげか、Dポのエリアはべったりと塗りつぶしたように広がり、その中でもほとんど穴がありません。

◇つまり、Dポのエリア、きれいな面的エリア構成になっているわけで、そういう部分からも「移動に強い」と言えるでしょう。しかしながら、PHSの元々のコンセプトは、「スポット的エリア」、つまり、あるスポットだけをカバーするようにエリアとするやり方です。このやり方を割と最近まで続けてきたのがアステルです。スポットというのは、行ってみれば「渋谷駅ハチ公口周辺はエリア」といったように、ある中心点の「周辺」はエリア、という言い方をします。それに対して、面的エリア構成は○○市△△町1丁目はエリア、と、「中心点」ではなく、周りを囲む「境界線」を基準にエリアとします。この違いが、ここからの話で重要です。

◇この辺の違いをもっと良く理解するのには、Dポとアステルのエリアを比較してみるのが良い方法です。DDIポケット関東エリアマップアステル東京のエリアマップを見てみると、なかなか面白いです。DDIポケットのエリアは、基本的にべったりと塗りつぶした感じになっているのに、アステルは、ぽちぽちと、点がたくさん集まってエリアになっているのが分かると思います。基本的にはある都市をカバーするようにエリアを展開してはいますが、良く見ると、都市から少し外れに点があったりもします。そういう点は、人が集まる点だったり、何かの観光資源があったりするわけです。

◇先ほども言ったように、Dポは面的にエリアを展開します。エリア拡大となれば、自ずと、その境界線を外側に押し広げる、という形になります。そういうわけで、基本的につながった連続的なエリアとして広がっていくわけです。このやり方は、ある地点から別の地点へと「移動」する人に対して有効な方法です。そんなわけで、Dポは昔から比較的移動には強かったのですが、このやり方では、特に誰もいないような場所までも無意味にエリアにしてしまい、効率が良くない場合が出てきます。

◇そのため、ある地方都市をカバーしても、その郊外へとエリアを拡大していくのがなかなか思うように行かないこともあるようで、地方都市の郊外は圏外であったりする場合があります。また、ちょっとした観光地であるにもかかわらず、地方都市から離れ過ぎている、というだけの理由でエリアでない場合も多々あります。Dポのポリシーとしては、そのような場所をカバーするためには、まず地方都市から外に向かってエリアを拡大し、それを押し広げていった結果観光地をカバーしなければならない、というものが多少あるようです。もちろん、草津温泉や白馬など、超有名な観光地は、山奥にもかかわらずエリアにしています。ところがここでもおかしなことに、そのエリアをなぜか外に押し広げようとした形跡が見られます(草津温泉など)。やっぱり、エリアを「面」にしたいという欲望(?)に動かされているようなのです。

◇実は、これには一つ裏があって、最近のDポエリア、どうやら中継器型基地局でエリア拡大を行っていることがあるようなのです。この中継器型は、隣の基地局の電波を中継する、と言うのが大前提なので、どうしても一足飛びに、と言うわけには行かず、その外縁をじりじりと押し広げていく面的展開にならざるを得ない、と言うこともあるわけです。

◇さて、こういうわけで、田舎の観光地はDポエリアではない場合も多く、その結果、そこに観光に行った人(主に若者)から、「こんなところもエリアじゃないのか」と、Dポに対する評価も下がってしまいますし、何より、「ケータイも使えないようなこんな田舎、二度と来るか!」という状態にさえなりかねません。今や、携帯が圏内であることが当然で、電波が届かないというだけで不安になってしまうような人もたくさんいます。そんな人にとっては、ケータイが通じないというのはその観光地の評価を下げるに十分な理由になってしまいます。これは、観光地を抱える自治体にとっても憂慮すべきことです。

◇つまり、ここで言いたいことは、Dポに「観光地のスポットエリア化」をもっと進めてほしいなぁ、ということなんです。NTT局のPHS収容対応の問題もありますが、その点を解決できれば、Dポも自治体も損はしないはずです。東北の寒村地でこれに近い実験を行っていますが、あれはあくまで村を丸ごとカバーしようというもの。これは、コストの面から行って、自治体の全面的な協力がないとDポにはつらいかもしれません。しかし、そうではなくて、たった一局で良いんです、ぶどう狩り園でもにゃんこテーマパークでもエリアに出来れば、評価は段違いのはずです。

◇そして、そんな中で、地方の観光地をエリア化するときにぜひとも目を付けていただきたいのが「道の駅」。これは、街道沿いにあるドライブインみたいなもので、日本中の観光地近くにたくさんあります。これまでのDポのように、その街道を丸ごと面的にカバーしようとすれば莫大なコストがかかってしまうような場所でも、道の駅に一局ずつだけでも建てれば、「運転中はどうせ使わないけど、道の駅にさえ着けば確実に使える」という安心感みたいなものも得られるのではないでしょうか?

◇そして、道の駅だけに限らず、もっといろんな人が知っていて、自然と人が集まるオブジェクトをスポットとして確実に押さえられるようにして行けば良いのです。たとえば、(ちょっと現実的ではありませんが)コンビニと提携し、そのコンビニなら日本中どこでもスポットエリア、としておけば、「あのコンビニさえあれば日本中どこでも安心」となるわけで、エリアマップ上でちびちびと塗りつぶしていくよりも、はるかに高い信頼を得ることが出来るはずです。しかも低コスト(実際は、従来のエリア外の店舗にだけ増設すれば良いので)で。そのコンビニさえあれば、という条件付きではありますが、「ドコデモツカエル」を実現できるわけですから。

◇ちなみに今回のお話は「質問箱!」にお寄せいただいた意見を基に構成しています。奇しくも同じ日に、2名の方からほぼ同様の提案をいただきました。ありがとうございました。




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