いけテル!?アステル!


◇さーて、いつもDDIポケットの話ばかりでうんざり(?)してきたところなので、今回は、DDIポケットの永遠のライバル(?)、アステルの話でもしましょう。

◇アステルといえば地方色豊かな多彩なサービスが特徴です。そのためDDIポケットのように地方部が見捨てられがちになったりしないという長所があります。なぜなら、アステルのほとんどが地方の通信会社(電力会社系)が提供するようになっており、特にそういう通信会社は「地元ナンバー1」を目指しているからです。

◇たとえば東京電話アステル。これはもうそのものズバリ、名前に「東京電話」と入っているのを見てもわかるとおり、東京電話(TTNET)のサービスとして、東京電話とのコンビネーションを生かして東京では追随するものの無いほどのサービスを提供しています。東京電話と一緒に契約すると適用される東京セットは結構お得な割引プランですし、プロバイダこそ首都圏内に限られますが通信料が1分6円という超格安のダイヤルアップ通信料など、魅力満載です。また、東京アステルを含めいくつかの場所では64kbps接続も可能な地域があります。アステルの64kbpsは端末を2台利用し、基地局で合成した上で一般のIDSN同期64kbpsアクセスポイントに接続可能なもので、64kbpsの速度に必要な2スロットを完全に独立して確保できるためにかなりの安定性と速度保証性が期待できます(デュープレックス方式と呼びます)。簡単に言うと、安定性はドコモPHSより優れ、速度保証性はDDIポケットより上、という夢のような通信方式なのです。端末2台が必要とはいえ、片方は待ち受け専用プラン「まっTEL」でもかまわないので、基本料はかなり安くとどめることができます。

◇北海道、北陸など、独自網化が進んでいる地域では、アステル同士の通話が大幅割引されるサービスもあります。割引率は実に半額!その他、地域によりますが、ほとんど例外なく2回線目が基本料数百円からになる割引サービスもあり、家族みんなでアステルを利用するとびっくりするほど安い料金にすることができます(家族4人で1万円以内(!))。また、地域内のインターネットプロバイダへの接続料が半額(1分5円)になるなどのサービスを行っている地域もあり、特定地域内でしか活動しないような人にはお勧めです。

◇そしてアステルといえばなんと言っても忘れてはならないのがインターネットつなぎ放題サービス!提供地域は北海道、仙台、北陸、関西、四国のみですが、かなり格安でつなぎ放題を楽しむことができます。一部地域のアステルでは利用できるのはエリア内の一部のみという状況ですが、それでも重要な都市部などは押さえられていて、今後もエリアは徐々に拡大していくと思われます。ちなみにその料金体系も各社様々で、3000円でプロバイダ料まで含んだものもあります。

◇そんなつなぎ放題の中でも極めつけは、関西アステルの親会社(追記:親会社ではなく、後継会社でした)、ケイ・オプティコムが開始したアステル端末を利用する常時接続サービスです。これは、PHSによる常時接続、というのとは少し趣が違い、光ファイバーによるインターネットの最後の一歩にPHSを使用しようと言う試みです。そのため、基本的には利用場所を申請して、そこで使えれば契約、という形を取っています。が、そもそもPHSなので、サービスエリアでさえあればおそらくどこでも使えるでしょう(後日注:どうやら申請場所以外では使えないような仕様になっているらしいです、残念)(さらに追記:やっぱり移動先でも移動中でも使えるようです、こりゃすごい)。通信速度はモバイル常時接続では最高速となる64kbps。コストパフォーマンスの高さでは現存するあらゆる常時接続サービスに優っています。

◇とまあ、こんな風に、コスト面で言えばあらゆるモバイルソリューションの中で最も優れていると思われるアステル。「とにかくケータイを安く持ちたい」というのなら、第一候補に上げるべきでしょう。また、データ通信も携帯電話の比ではありませんし、PHSですから当然かなりの高音質を誇ります。とにかく安く済ませることができるので、DDIポケット好きの私でさえついつい一台持ってみたくなるものです(=>廃人への道)。

◇しかし、どういう訳か、アステルはPHS最下位(=ケータイ最下位)という地位に甘んじています。これはいったい何がいけなかったのでしょうか?これだけいいものなのに、ちょっとおかしいではありませんか?

◇第一の理由に外的要因があります。これはどういうことかというと、PHSそのものに対する偏見+αです。PHSがつながらない、すぐ切れると言われ初めてもうずいぶん久しくなります。もちろんこれは今となっては大きな間違いなのですが、とりあえず、この偏見はPHS全体の加入者数増加を大きく阻害する結果となりました。一方で、DDIポケットは携帯電話的なエリア展開をし、一部で評判を勝ち取ったおかげでPHSトップに立つことが可能でした。一方のNTTパーソナルは、冠名(?)のNTTのブランドイメージのおかげでだいぶユーザを稼ぐことができ、ドコモになってからは携帯電話のおまけ的存在に成り下がることにより潜在加入者数を4000万人(=ドコモ携帯契約者数)にまで増やすことに成功しました。必然的に最下位にならざるを得なくなったのは、アステルでしかあり得なかったわけです。逆に、もしPHSというものが今ほど偏見を持たれていなければ、携帯・PHS業界で第3位という大通信業者(つまり現在のJ-PHONE的存在)になっていた可能性もあったということです。

◇一方で、内的要因も無かったとはいえません。PHSが馬鹿にされ見捨てられようとしていた時代、PHSからの脱却をはかったDDIポケット、携帯とのコンビネーションを模索したたドコモPHSとは対称的に、アステルは実にまじめにPHSしすぎてしまったのです。つまり、マイクロ・ストリートセルによるエリア展開と地域網に重心をおいたサービス。そして、その後のアステルの改革でバラバラになったアステル各社間のサービスの不一致がユーザ側のあらぬ不安をかき立てる一因ともなります。たとえば東京電話アステルを持つ人が、旅行や転勤で関西に行くことになったとしましょう。すると、「自分の電話は向こうで使えるのか?」という不安に駆られます。あまりにサービスが違いすぎるからです。そこで、この際だから他の携帯に変えるか、という流れから解約となります。たとえたった一回の旅行でも、次に他の地域に行くときにつながらなかったらいやだな、と思い、帰ってきてから解約、ということもあり得るでしょう。地域密着型のサービスはこんなところで思わぬ副作用を生みます。

◇アステルがよみがえる鍵はどこにあるのでしょう?それはズバリ「地域密着」にあります。何、言ってることが矛盾してる、だって?いいんです。それをさらに進めるのです。ポイントは、安くて強力なインターネット常時接続サービスです。事実、全国的な契約者減少に歯止めのかからないDDIポケットを後目に、eoエア64を提供するアステル関西(ケイ・オプティコム)は再び加入者を増やし始めました。DDIポケットでも常時接続を開始しましたが、おそらく関西地区での加入者減少には歯止めをかけられないでしょう。一方で、次世代携帯電話の関西地区での普及にも影響を与える可能性さえあります。それほどまでに64kbpsつなぎ放題はインパクトがあるのです。独自網を整備した地方アステルなら、これと同様のサービスを提供できるはずで、その結果は、アステルブランドの向上、常時接続の提供できない依存網地域での加入者増加、などと波及していく可能性もあります。

◇ともあれ、インターネット接続サービスとしてのアステル、今後なかなか目の離せない存在となりそうです。


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