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2009/06の過去ログ


カーナビ、カーナビ。

2009/06/29

やっとここまできましたか、という感じなんですけど、パイオニア新カーナビにウィルコム対応というニュース。

この中で、やっとですか、と思ったのが、

あ、今日は、携帯・PHSのネタじゃないです。いや一応そこは基本としてはいますが、ずっとカーナビを使ってきたカーナビユーザとしての一言ですので、興味のない方は読み飛ばしちゃってください。

この中で、やっとですか、と思ったのが、さらりと書いてある、「道路が開通する日にリアルタイムにデータを更新」って言う一言。そう、ようやく、ネットワーク経由での地図更新(もどき)が出来るようになったんですね。

パイオニア商品情報ページによると、実際にできるのは、あらかじめ開通予定のわかっている主要道路単位のみで、地図丸ごとの更新は年に2回だけ、かつ、PCに接続しなければなりません。たとえば、もっと小さな市街の小路やコンビニ・ガソリンスタンドなどの変更はリアルタイムには反映されず年2回の更新を待たなければなりませんし、その全更新についてもリビングキットとPC、そして、全データをダウンロードしちゃうので凄まじいダウンロード時間がかかります。とはいえ、内蔵の地図をネットワーク越しにある程度更新できるようになったのは、カーナビの大きな進歩と言えます。

昔から思ってたんですよ。せっかくネットワークにつながる機能があるのに、どうして地図の更新をオンラインで出来ないんだろう、って。今使ってるHDDナビ(パイオニア製)も、HDDを自分で取り外して梱包してパイオニアに送って更新を数週間待って送り返してもらったのを自分で取り付け、ということを、毎年しなければなりません。いや、毎年は必要ないんですが、やっぱり地図は最新に保ちたいし。

これにかかる費用は2万円とかその程度なんですが、ぶっちゃけ、価格なんてどうでもいいんですよ、年間2万円程度で最新地図を維持できるなら、安いものなんです。それよりも、手間なんですよね。更新のために里子に出している間はカーナビが使えないのが、本当に困る。なるべく遠出の予定のない時期を選んで、遠出の予定を入れないようにかなり前から予定を組んで、更新サービスが混雑する時期を避けて更新予定を立てて、なんてことをやんなきゃならない。これが本当にめんどい。

カーナビ商売は、ある意味地図情報が最大の価値で、古い機種については地図情報に陳腐化していただくことで買い替え需要を掘り起こそう、というのが、おそらくカーナビ業界の常識だった、ということもあるんでしょうね。私の持っているHDDナビはまだ更新が続いていますが、いつ更新停止となるかわかりません。更新停止となったら、おそらく買い換えざるを得ないでしょう。まだ使えるのに、もったいない。

ということで、ネットワーク越しの地図情報更新というのが出たら、年額2万円のサービス料だとしても惜しくない、と思っていたわけで、ようやくパイオニアのカーナビがそれに近いところを実現してくれました。

ただ欲を言うと、やっぱり、リアルタイムで地図情報そのものを更新してほしいんですよね。どういうことかというと、自車位置近辺の更新情報を移動に合わせてネットワークに問い合わせ、更新があれば自車位置付近の地図をごそっとアップデートしちゃう、ということを日々やっていてほしいのです。

また、パイオニアのカーナビには「ドライブプラン」という機能があって、あらかじめ出発日と出発地、目的地、立ち寄り地などを入力しておくとプランを作成してくれる機能があるんですが、たとえばこれで登録したら、その期日が来るまでにそのルートに当たる地域の更新情報を巡回取得して、こっそりアップデートしておいてくれるとか、もちろん普段のルート案内中も行く先々の更新情報を先読みしておいてくれるとか、そういうことが出来てもおかしくないんじゃないかなぁ、と思うんです。

地図の更新なんてめったにないので、発生トラフィックは基本的に更新確認問い合わせパケットだけ、更新があっても、せいぜい自車・ルートの周囲1km程度なのでそれほど大きなデータとも思えない。これだけで、よく走り回るところは自動的に最新版が常に保たれるし、全く行った事もない、行く予定もないようなところは更新の必要もなく、無駄なデータのダウンロードも発生しない、という、実にエコなシステムだと思うんですけど、やっぱり難しいんでしょうね。これをやるには、地図を相当細かい単位でモジュール化しておかなければなりませんし、そうするとルート探索のアルゴリズムにも大きなインパクトを与えてしまいます。何より、モジュール化してそれを保守する人手が大変。でもがんばってやってほしいなぁ、こういう更新方式。

ところで、今回のパイオニアの新製品以外では、こういう形での地図更新に対応したものは寡聞にして覚えがないのですが、他にありましたっけ。なければ、この機種に買い換えちゃいたいなぁ、なんて思ってたりします。もちろん、もっと先の機種ではもっと大胆な地図更新に対応してくれるかも知れないので、もうちょっと様子見(今のHDDナビの更新が停まるまで)したいところですが。

で、やっぱり、このサービスを利用するときは、ウィルコム回線を使うのが一番いいんでしょうね。他社は基本的に従量課金ですし、一回のデータ量はそれほどでもないけれど頻度は高い、というスマートループが基本サービスなので、やっぱり使い放題のウィルコムが望ましいところ。また、エアーナビに対応していたソフトバンクがひょっとするとスマートループの定額に参入するかと思ったら、全く手を出さないみたいなので、定額としての選択肢は今のところ一つしかない、ということになりそうですが、イーモバのエリアがもう少し広がったら、カーナビメーカも検討を始めるかも知れませんので、それが出てきてから価格見合いで検討してみるのがいいかも知れません。エリア最強のドコモ網を使ってくれるのが一番いいんですけど、ドコモから料金的な協力を取り付けるのはかなり難しいですしねぇ。

と言うことで、ようやくカーナビのネットワーク対応が本格化し始めて、これからが楽しみな一言なのでした。でわ。


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JAXAがウィルコム採用

2009/06/24

JAXAがウィルコム採用っていう記事。卒業生の3割はJAXA(当時NASDA)に就職する、という研究室にいながらJAXAに行けなかった私としては(笑)、ちょっと身近な気分になるニュースです。

一応、JAXAでは、携帯電話+無線LANなFMCも検討し、比較した上でウィルコムになった、ということになっています。が、ちょっと前に書いたように、ミッションクリティカルな用途にISMバンド(2.4GHz帯)を使うなんてナンセンスすぎます。そういう意味からも、無線LAN内線なんて採用しなくてよかった。もしここで内線に無線LANなんて採用するようになったら、それはもうJAXAも地に堕ちたな、という感慨しか浮かばないわけで。

さてそれは置いておいても、最近、会社の内線代わりに携帯電話を使っている例が増えています。というのは、例の、社内音声定額っぽいサービスが各種あるから。しかしですね、はっきりいって、社内の内線に携帯電話(公衆電波)を使うってのは、実に筋が悪い。

携帯電話には携帯電話の、内線電話には内線電話の本分というものがあります。それを、あえて本分を破った使い方をすると、とたんにいろいろな問題が生じてきます。最近、PHS-PBXから携帯電話の音声定額利用内線に移行した会社を見たことがあるんですが、それはもう、業務が大混乱していました。

まず、携帯電話では、代表ピックアップができません。部にひとつくらいで代表ダイヤルイン番号があり、名刺にはその番号が刷ってあるようなところなんですが、従来なら、その代表番号にかかってきた電話を、在席中の誰でもが、内線PHS端末からピックアップできました。つまり、誰かがオフィスにいれば、代表電話は確実に通じたわけです。

ところが、内線電話が携帯電話に置き換えられてしまうと、話が変わってしまいます。代表電話に応答できるのは、その電話機本体だけ。もちろん、各個人の机に内線専用電話機があったりなんてことはないわけで、その代表電話機のところまで歩いていかないと電話に出られません。代表電話機の近くに人がいればいいですが、遠くにしか人がいなくて、しかも何人かがお互いに「あっちが取りにいってくれるだろう」とけん制し合ったりなんてことが起こり、業務が混乱することになってしまったわけです。結果として、古来ゆかしき「電話番」制度を復活することになってしまった、と、そういうわけです。

そして、携帯電話では「内線転送」ができません。代表電話にかかってきた電話は、結局外線で携帯電話に転送することになってしまうわけで、かかってきた通話と転送出通話で2本の回線を占有するし、代表にISDN-PRIを使っていたので携帯電話への転送は有料、結局コストは上がってしまうという本末転倒な結果になってしまいます。

というように、もともと内線に備えられている重要な機能が携帯電話システムには欠如していますから、携帯電話が内線の代わりになる、ということはありえないわけです。内線には内線のための機能の充実を図ったPHSというシステムがあるわけで、しかもこのシステムは、2.4Gといった干渉だらけの帯域ではなくもちろん携帯電話帯域のように一般の公衆利用者とシェアしているような帯域でもなく、1.9Gの専用帯域を与えられているわけです。利用者減で機器コストがやや高くなっている嫌いはありますが、それを除けば、これほど恵まれたシステムはありません。これを使わずに、あえて雑多な公衆通信のひしめく携帯電話や無線LANを使うことは、ナンセンスとか云々の前に、「もったいない」です。

もちろん、ウィルコムのW-VPNを採用したからといって、内線圏内ではきちんと内線PHSを使うようにしなければこの恩恵は半減、というか、公衆携帯電話を内線に使う愚を繰り返しているだけになってしまうわけで、ウィルコムさんには、W-VPNと内線PHSシステムは必ずセットでの導入をすすめていただかないと困ります。いまどき「電磁波が弱い」なんていうはるかに弱い理由付けでPHSを選ぶ企業なんてありませんから、それがPHSだから、という理由での選択を促すなら、必ず、内線PHSに与えられた数多くの恩恵を活かすべきなのです。

そういう意味では、まだそういう営業をしているという話は聞いたことがないですね。というか少なくともほんの数年前までは、ウィルコムの営業的には内線PHSを「敵」認定していたという話もあるくらいで(端末横流しなどの問題もあったのでしょうが)、相変わらず、どっかずれてるウィルコムの営業方針を考えると、こういう手はきっと今も打っていないんだろうなぁ、なんて思ったりもします。

一番いいのは、いろんなPBXに対応した独立した制御ボックスと内線PHS基地局をウィルコム自身が開発・販売することなんでしょうけど、そんな余裕もないんでしょうねぇ。PHSを盛り上げる動機を持つ唯一の会社としては、がんばってほしいところなんですけど。といったところで本日はこれにて。

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イーモバイルがHSPA+開始

2009/06/22

イーモバイルがまた発表した、今度はくだり21Mbpsのサービスについての、解説。というか、まぁ基本的なポイントは以前のカタログ値と実効値の乖離に関する考察と同じなんですが、とにかくこれまた思い切ってやっちゃった感があります。

HSDPAの仕組みを簡単に説明すると、W-CDMAではHSDPAのチャンネル換算で16個のチャンネルを張ることができます。これは実は言い方としては逆で、HSDPAではCDMAによりチャンネルパワーを16個に分けたうちの一つを最小単位としている、とも言えます。

余談になりますが、この「分ける個数」のことを拡散率とも言いまして、これは結構好き勝手に変えられます。もちろん、たくさんに分ける(拡散率を大きくする)とチャンネルの通信速度は落ちるわけです。HSDPAではW-CDMAの限界である16にまでそれを下げています。

ということで、W-CDMAで利用可能な「電波の量」は、HSDPAシングル回線(約700kbps)で16個分。で、イーモバイルがやろうとしている21Mbpsサービスは、これを15個まで使っちゃうサービスです。

そう、いったん21Mbps利用者が使い始めれば、HSDPA以外、つまり音声に使える領域は、残り16分の1しか残っていない状態になる、ということ。

もちろん、こういうサービスはいったんやっちゃうと、後でやめました、はなかなかできないもの。つまり、イーモバイルは、音声をほぼ捨てた、と宣言したに等しいわけです。

また、最近のイーモバイルの実効速度は、都市部では1Mbpsに届かないことが多いのですが、これは、チャンネルの強度が足りなくて16QAMなどの多値変調が使えないから、というのが原因ではなく、完全に「コードとスロットが足りない」ことであることが推測できます。というのは、チャンネルの強度が十分な場所でも速度が出ないという事例が多いからです。

コードとスロットは完全に有限で固定された資源です。先ほどの「16個」というのが実はこの「コード」の数にあたり、7.2Mbpsサービスではこのコードを最大10個使うことで実現されています。また、HSDPAのチャンネルは2msごとに区切られた「スロット」に分かれていて、全スロット利用、2分の1利用(二人で共有)、3分の1利用(三人で共有)というような設定ができます。しかし、先ほども述べたとおり、実効速度は1Mbpsに足りないところがある、ということは、このコード、あるいはスロットが、一人の利用者に十分に割り当てられていない、ということを意味しています。たとえば、一人当たりコードが1個しか割り当てられないという状況や、3個割り当てられているけど3分の1スロットしか割り当てられない状況、ということが考えられます。少なくとも、10個フルに割り当てられている可能性は皆無です(それなら少なくとも3Mbps程度は出るはず)。

では、ここで「最大割り当てコード数を15個に増やしました!」と言って、速度は速くなるでしょうか。ありえませんね。そもそも10個でさえ割り当ててもらえないのに、その上限を15に増やしたからと言って、何も変わるとは思えません。「りんご10個まで取り放題だったけど、+1000円で15個まで取り放題にします!」っていう八百屋の店先にりんごが3個しかないわけです。
一応補足:もともと仕入れは16個あるんですが、「取り放題」につられてみんなでわっと取り合った結果店先には3個しか残ってない、という意味です。

唯一速度向上の目があるとすれば、変調方式が最大64QAMに上がったこと。これで、従来の1.5倍までは、理屈上は可能となりますが、ただでさえコード多重で干渉波が増えている状況で64QAMなんていう多値の振幅変調がまともに動くか・・・は、疑問と言わざるを得ません。自立分散で干渉波がなくクリーンな環境で通信できるウィルコムのW-OAM TypeGでさえ、64QAMが効く条件はかなり限られています。

と言う感じで、おそらく、コード・スロット不足でほとんど速度向上効果はないだろうと思われます。これがたとえば、複数波を持つドコモが、どこか専用の帯域を手当てして行うと言うのなら、その意味は非常に大きいのですが、1波しか持っていないイーモバイルでこれをやってしまうのは、結局はほんの一瞬の最大風速のためにHSDPA以外のサービスを実質的に捨てることを意味するわけで、技術的にはまさに「愚行」と言わざるを得ません。

もちろん、1.7GHz帯でもらったLTE向け帯域を占有してサービスを行う可能性もあります。この間もらった帯域、結局ソフトバンクとイーモバイルがごねまくってHSDPA系も使えるようになっちゃって、おそらくそのままなし崩しでLTEに向かわずにHSDPAで使い続けちゃう、ということになるだろうと思っています。総務省は相変わらず「人口カバー率」なんていうまったく実効性のない基準で事業展開の申請を認めているわけで、大都市の中心部にちょろっとLTE基地局を立てて、それ以外はごっそりHSDPAのまま、ということになるのは間違いありません。

ただ追加帯域でやるにしても、今度は設備投資がそれなりに必要で、おいそれとエリアは広がらない可能性もあります。にもかかわらず、7割を当初からカバーすると公言していますから、やっぱり現行帯域と新帯域、両方にまたがってサービスを行うのでしょう。となると、やっぱり音声ではほとんど帯域を使わないという前提がなければ15コードサービスは行えません。

まぁ、イーモバイルの音声の動きを見ていて、やっぱりこうなるのが自然なんですね。結局、公式のオリジナル端末は1機種だけ、後は適当に買ってきただけで、ほとんどの公式コンテンツが使えない実質のメーカブランド端末ばかりです。音声に力を入れていないのは明らか。加えて、音声は、品質維持が非常に難しい割りに、品質低下が素人でもわかるほどシビアなサービス。だから、いっそ音声は捨て、品質維持の簡単なデータ事業者になるのが、実は一番リーズナブルな選択なんですね。

というわけで、まぁ、現実的には速度向上効果はほとんどゼロだけどカタログをにぎわすにはちょうどいいのが、HSPA+の開始、ということで、対応局もあるし、とにかく先に始めちゃおうぜ、ってことなんでしょう。デモ環境では20Mbpsが出ても、それはちゃんとりんごを15個並べたから、当然なんです。実際にりんごが3つしかない公衆環境で、どのくらいの速度が出るか、見ものですね、といったところで本日これにて。

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XGPフィールドパフォーマンス1

2009/06/18

さて、ついに、というか、ようやくというか、ウィルコムのXGPのメディア向け貸し出しが始まったようで、各メディアで早速実使用のレポートが上がっています。

それぞれに面白いレポートではあるのですが、とりあえず、もっとも典型的な例がそろっていると思われる日経パソコンの記事から、一言。

まずは、私自身のおおむねの予想通り、屋外環境では5Mbpsくらいが典型的な速度になったようですね。一部では10Mbpsを超えたり、また、別のメディアによる記事では15Mbpsという速度を叩き出したりしていますが、まぁ、実使用上は5Mbpsくらいと考えておくのが割と問題が起こらないはずです。

またそもそも、一般的な利用をする限りにおいては、5Mbpsで不足するという状況は非常に考えづらい。1~2Mbpsがせいぜいの3Gを使っていても、まず日常の生活で不便を感じることがありませんし、第一私など自宅のADSLは12Mbpsプランで、実測5Mbpsが最大値。これで普段のWEB閲覧にはまず問題が起こらないわけで、十分な速度といえます。

面白いのが、上りもなんとなく5Mbpsくらいを出しちゃってること。というか、本当に下りと上りがほとんど同じ速度が出ているんですね。さらには、測定サイトを使った場合、どうしても元々「下り」に重点を置いた仕組みであるHTTPを使う以上そこに少々の「下りバイアス」がかかってしまうのですが、対称通信が前提のFTPで測ってみると、かえって上りのほうが速かったりして、これもまた非常に興味深い。

元々、ウィルコムは何かにつけて「XGPは上下対称で~」という宣伝をしていたんですが、個人的には、ちょっと眉つばだったんです。なぜなら、ちっこい端末が頑張って空中に押し出す電波と、大きな基地局が軽々と押し出す電波、どう考えても、後者のほうが余裕があるじゃないですか。だから、規格上上下対称でも、やっぱり上りは下りには勝てないんじゃないかと思ってたんです。

ところがふたを開けてみると、これがしっかり対称になっている。しかも、FTPを使った結果ではむしろ上りのほうが速い。たぶん、ですが、これ、相当頑張って上り側をチューニングしていますよ。下りは余裕があるから後からでもなんとでもなる、とにかくいまは「上下対称」を実現するために余裕のない上りを全力でチューニングすべし、とかなんとか、そんな感じで、上りをカリカリにチューニングしているんじゃないかと思うわけです。

ある意味オカルトのHSUPA5.7Mbpsより、こうやって現実に5Mbps超え、ところによっては8Mbpsにも達する上り速度を見せられると、壮観ですね。この上り5Mbps以上という結果を見て、突然食いつき始めるMVNOもあるかもしれません。試験サービス中とはいえ、これだけ強烈な上り性能を見せられるとは思いませんでした。

てゆーかなんか・・・こんなの見せられると、ホイホイと買っちゃいたくなりますがな(笑)。いや、XGPは(個人的に気に食わないことも含めて)当分様子見しようと思ってたので。うーん、悩んじゃう(笑)。という感じで、本日の一言でした。

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メールアドレスポータビリティについて

2009/06/10

メールアドレスポータビリティの議論が始まっているようです。というか、ずいぶん前からこの話は進んでいましたが、なんだか妙なタイミングで妙な報道のされ方をして、なんだか世間が盛り上がっている、というのが現実。なんでこのタイミングで発表・報道されたのかは、本当に謎。

ということは良いんですが、問題のポータビリティの実現に関しては、やはり問題山積といわざるを得ません。技術的には極めて簡単ですが、業務として流すのは極めて難しいだろうなぁ、と思うところ。

番号ポータビリティが比較的スムーズに始まったのは、携帯電話番号が持つ極めて特殊な特徴によるところが大きかったのです。それは、携帯電話番号は、会社によらず全ての番号を総務省が一元管理している、ということ。携帯電話番号11桁の最後の1桁にいたるまで、全て総務省の管理下にあり、ユニークに保たれているのです。

ところが、メールアドレスの管理は、そうはなっていません。まず一番おしりが.jpかそうじゃないかだけで管理する元締め団体が異なります。次のレベルが、今度はneなのかいきなりドメイン名なのかでまた管理が違いますし、ドメインにサブドメインがついたりつかなかったりもまた会社により違いますし、何より、@マークより前は全て会社レベルの中で管理が閉じていて、共通のルールさえありません(かろうじてRFCで使用できる文字などのルールが定まっている程度で、そのRFCルールでさえ、ドコモは準拠していませんでした)。

こういうレベルなので、たとえば、メールアドレスポータビリティ申込用紙のメールアドレス記入欄に何桁のマス目を用意しておくのか、とか言うしょーもないレベルで問題が起こると見ています。またもちろん、技術的に言うと、たとえばポータビリティを単純なメール転送の仕組みで実現するにしても、転送先のメールアドレスを格納するデータベースレコードのサイズの最大値をいくつに取っておかなければならないのか、とかいう問題も起こります。

また、メールアドレスにサブドメインがあったりなかったりしますし、あるいは途中で増えたりすることもあります。時には、会社ごとドメインが変わることもあります。ポータビリティがないときは、単に増やした側がドメインを維持し、MXレコードを保守していればすむ問題でしたが、ポータビリティが行われる場合、当然ながら、ドメインによってどの会社に転送元設定を入れてもらう作業を行うのかが変わってきます。もちろん、その会社により処理内容も変わります。

つまり、ポータビリティが今後永続的に続くとなると、ドメインが変わるたびに業務フローマニュアルが増えていくことになります。たとえば、当初のマニュアルに「ポータビリティアドレスがpdx.ne.jpだったら、DDIポケット株式会社に対して○○申請書を送付し□□処理と××処理をして~」と書いてあったとして、会社がDDIポケットからウィルコムに変わり、ドメインが追加され処理方法が変更された、と仮定すると、まずその行を「ポータビリティアドレスがpdx.ne.jpだったら、株式会社ウィルコムに対して○○申請書を送付し△△処理をして~」と改訂しさらに「ポータビリティアドレスがwillcom.comだったら、株式会社ウィルコムに対して○○申請書を送付し△△処理をして~」という行を追加しなければなりません。携帯電話番号と違うのは、将来的にドメイン名が無限数になる可能性があることです。ということは、ポータビリティ業務マニュアルが無限に膨らみ続ける恐れがあることを受け入れなければなりません。

総務省が一元管理している電話番号ではこのようなことは原理上起こり得なかったわけで、確かに薄い可能性ではありますが、可能性は可能性、業務マニュアル保守ルールはこれを考慮して策定しなければならないことになります。これが、メールアドレスポータビリティを実現するための業務上の難関であると思っています。

とはいえ、各社とも(auだけは立場をはっきりしていないみたいですけど)そこそこ乗り気なので、何とか実現するんでしょうね。メールアドレスが原因で転入を取れない(と思っている)低シェア組は当然推進ですし、最大シェアのドコモにしても、メールアドレスお帰りサービスなんてやっているのを見てもわかるとおり、他社に流出したけれどやはりもとのメールアドレスを引き継いで出戻りしたい、という需要が多いのでしょうから、いっそメールアドレスを持っていってもらって、いつでも戻ってきてもらえるようにしておきたい、という下心があるように見えます。まぁ、私の身の回りでも、ドコモからソフトバンクにMNPで出て行ってあまりのサービスのヘボさにやっぱりドコモに戻りたい、というような人が結構居ます。ドコモよりサービスレベルの低いauに転出した場合でも同じことは起こっているでしょう。一時的に転出は増えるかも知れないけれど将来的に見れば出戻り組を期待できる、という、自社サービスレベルに対する絶対的な自信が推進に走らせているのかもしれません。もちろん、低シェア組は一時的でもいいので転入がほしいところ。特に低シェア2社は純増数そのものを広告塔として使っているので、大歓迎でしょうね。微妙なのが、やはり、そこそこのシェアとそこそこのサービスのauというところでしょうか。なまじシェアが大きいので転出者は増えるし、と言って、サービスとエリアがより充実しているドコモに転出していった人はおそらく戻ってこないでしょうから、一番割りを食うことになりそうな気がします。

あとは、「一定期間」が現実のどのくらいの時間かによっては、またひと悶着あるでしょうね。出戻りを期待したいドコモは他社の2年縛りを超える期間の利用を望むでしょうし、低シェア組は移行後は出来るだけ早く自社アドレスに移ってもらって2年縛りが切れる前に移動元アドレスには消えてほしいでしょうし。この辺の攻防戦はまた面白い見ものになるかもしれません、いろんな意味で(笑)。

ということで、本日はメールアドレスポータビリティについて思ったことを書き連ねてみました。

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回線交換の利点

2009/06/08

まず最初にウィルコムにものすごく「無茶な」提案。それは回線交換方式(PIAFS)も、ウィルコムの売りである定額ファミリーに入れてあげてください、ということ。

回線交換というのは、ウィルコムで言えば64kbpsPIAFSのことです。また、3G他社も回線交換サービスは64kbpsを最大速度として提供しています。実質、回線交換でこれ以上の速度は不要という要求もありここにとどまっているわけですが。

しかし、回線交換というのは何が違うのか、というと、無線部の使い方が違うというだけではないんですよ。ネットワークが根本的に違います。パケット交換というのは、パケット単位でネットワーク内の交換機が行き先案内をしてあげるシステムですが、回線交換というのは、利用者同士をパイプでつないでそのパイプの中を無遅延でデータが流れます。

これはバケツリレーと水道管にたとえることが出来ます。バケツリレーはとにかくたくさんの人で次々にバケツを受け渡して水を送り届けますが、水道管は届け先まであらかじめ水道管を設置して、後は送信元がデータを押し込めば勝手に送信先にデータが届く仕組み。これだけ書くとそりゃ水道管の方がいいのに、今のネットワーク技術の主流はバケツリレー。なぜかというと、バケツリレーは簡単に帯域(速度と容量)を増やせるんです。バケツリレーの担い手をたくさん並べれば一度にたくさんのバケツを処理できるので容量を増やせますし、そうやって作ったバケツリレーネットワークの要所要所にスーパーマッチョマンを配置することでさらに高速に出来ます。この特徴があるので、バケツリレーネットワークは低コストに高速通信が出来る、ということで、もてはやされているんですね。一方、水道管で帯域を増やそうと思ったら、まず水道管自体を太くしなければなりません。しかも、送り元から送り先まで全部いっせいに太い管に置き換える必要があります。さらに水道管ネットワークに参加する人数がN人だとすると、最大Nの二乗の数の水道管をいっせいに太い管に置き換えなきゃなりません。帯域を増やすために莫大な投資が必要になるのが水道管タイプ。なので、よほどの要求がない限りこちらは高速化するという方向の技術開発は行われないわけです。

しかしながら、企業ではいまだに64k回線交換の需要があります。ウィルコムのみならず、ドコモ、au、ソフトバンクの64k回線交換は、まだまだ結構な引き合いがあります。それはなぜなのか、ということを一言で表すと、「回線交換の遅延プロファイルが極めて優れているから」ということになります。

それではここからパケットネットワークの遅延プロファイルのお勉強。パケットネットワークをものすごく単純にモデル化し、複数の出入り口に対して、間で処理するノードはひとつしかない、とします。

このときの遅延時間をX+Aと表します。Xというのは「ノードで処理される時間」で、普通は単にケーブルの伝送速度とデータの大きさだけで決まる数。要するに、ある通信速度のケーブルの上をデータが流れるのにかかる時間です。毎秒5バイトのケーブルに100バイトのデータを流せば、20秒かかりますが、この20秒がXにあたります。一方のAは、ノードで処理してもらうのを待っている時間。複数の利用者がいっせいにノードを利用するので、ノードはそのデータを順番に処理します。当然誰がどのタイミングでデータを送るのかわからないので、順番待ちが生じます。その待ち時間がA。もちろん、一人しか使ってないのなら、このAはゼロです。

さてここで、待ち行列理論。今回のモデルをM/M/1行列と仮定すると、実はそのAの値は統計的に予想できます。ここで、通信処理の利用率pを定義します。簡単に言い直すと、ネットワークの混み具合です。全体で100Mbpsの容量のあるネットワークに常に60Mbpsのデータが流れているとすると、この場合のpは60Mbps / 100Mbpsで0.6(60%)ということになります。

このときの平均待ち時間Aは、A = X ( p / (1 – p) )という式で表されます。これにはいろんな仮定が前提としておかれているのですが、とりあえず、現実のパケットネットワークは大体その仮定を満たしていると思ってください。この式を見てもわかるとおり、処理待ち遅延Aは、利用率pの増加に対して単調に増加します。しかも、増加の傾きはpが100%に近づくにつれて大きくなり、pが100%では、処理待ち遅延は無限大になる、という恐るべき結果が出ます。実際のパケットネットワークでは、この理論では考慮されていない「パケットの破棄」ということが行われるので、処理待ち時間無限大(データがまったく流れない)ということは利用率100%でも起こりませんが、パケット網が混雑すると遅延時間が加速度的に増大するということが重要です。

また、このAはあくまで平均値で、この値は個々の処理において広い範囲でランダムに変動することが知られています。実はその変動の幅も理論化されていて、簡単な式で求めることが出来ます。テキストで書くのがちょっとめんどくさい式なので、あえて割愛しますが、興味のある方は行列理論の解説サイトなどを見てみてください。ただ、端的に言うと、このランダム幅もやはり利用率pが増加すると単純に広がります。

たとえば、利用率pが60%の場合を考えます。この場合、AはXの1.5倍となり、合計した平均遅延時間は伝送時間Xの2.5倍になってしまいます。さらにランダム幅も結構広く、約12%の確率で実際のAの値がXの4倍を超えます。つまり、パケットネットワークでは、キャパシティの6割を超えると、平均遅延時間は2.5倍になり、12%の確率で5倍以上の遅延時間が生じる事がある、ということになります。

では回線交換はどうなのか、というと、これが、実に単純に一言で表せます。すなわち、

回線交換では A = 0 である。

でおしまい。回線交換でも当然中継ノードというものがありますが、ポイントは、「一人に一つのノードが専用で割り当てられる」ということ。正確にはノード装置内の中継エンティティが1対1で完全に独占できるということです(※ノード装置内の中継エンティティの数には限りがありますから、同時に利用できる人数が限られます。すなわち、利用時間に比例したコストがかかるということです)。ノードは自分専用なので「待ち行列」は発生しません。結果、A=0というのが、回線交換の遅延プロファイル。

A=0というのは、二つの大きな意味を含みます。ひとつは、Xに対してそれ以上の遅延が発生しない、という「低遅延性」、もうひとつは、Aに含まれるランダム要素がゼロになることすなわち「遅延安定性」です。

これがあることでどんなことが出来るか、というと、特に、データ通信で言えば「誤り訂正」などでかなり効果的になります。遅延が非常に高精度で一定であることがわかっているので、自分のデータが相手に届く正確な時刻、相手から届いたデータを相手が送り出した正確な時刻、というのがわかるので、誤り訂正のための「余分なデータ」の行き違いが完全になくせます。パケット交換では、伝送路がエラーだらけになると「再送」「再送要求」が何度もお互いに何度も行き違いになりスループットがエラー率以上に落ちてしまうということがありますが、回線交換では、この行き違いが絶対に起こりません。たとえばPIAFSでも通信開始時にお互いに同期手順で相手との間の遅延を測定し、それを使って誤り訂正の行き違いを完全に防ぐ、という仕組みが入っています。このため、特に伝送路のエラーが急に増えてきたようなときでも回線交換はせいぜいエラー率+α程度のスループット低下ですみますが、パケット交換ではエラー率の何倍ものスループット低下に見舞われてしまいます。

これにパケットネットワークが太刀打ちするには、つまりAをゼロに近づけるにはどうすればいいのか、というと、ネットワークの利用率をゼロにするしかありません。誰一人ネットワークを使っていない状態を作り出して初めて、回線交換と同等の遅延プロファイルが得られます。もちろんこんなことは絶対に不可能で、わずかでもパケットが流れている限り、待ち遅延Aとそのランダム性は必ず発生します。これを少しでもゼロに近づけようというのがQoSで、乱暴に言ってしまえばQoSの戦略は、パケットネットワークを仮想的に分離して、たとえば「優先」と「通常」の二つのネットワークが仮想的に作られ、「優先」にパケットを流せる人を厳しく制限する、ということになります。こうすることで「優先」の利用率を限りなくゼロに近づけ、Aの値をゼロに近づけようとするわけです。しかし、いくら仮想的に分離したとはいえ、「優先」ネットワークもパケット交換ですから、「優先」利用者が増えるにつれAは増大しAのランダム幅も増大していきます。QoSは回線交換の代わりにはなりえないのです。だからたとえば今現在NGNでQoSを使って回線交換サービスもパケット交換網に収容しちゃえ、なんてことをやり始めていますが、私から言わせれば単にコストのためにサービスレベルを落とそうとしているだけ、「世界的な通信業界の衰退の始まり」にしか見えません。

もちろん、エラーが絶対に起こらないかつ伝送ルートが完全に固定、という需要、つまり、固定電話向けになら、おそらくパケット交換化してもそれほど困ったことは起きないでしょう。問題は移動通信。ルートがころころ変わるわエラー率は高いわで、もしこの移動通信の回線交換サービスのバックボーンをIP化すると、しかもその利用率が上昇してくると、さまざまな弊害が起こるであろうことは容易に想像できます。

もちろんご存知のとおり、ウィルコムはそれをやっちゃいました(笑)。これをやっちゃった理由は、突き詰めて言えばコスト削減。ただ、そもそもウィルコムは自前の「回線交換網」を持っていない、という最大の弱点をもともと持っています。まぁそもそも自前の全国回線交換網を持っている会社なんて日本で3社とかです。それ以外の会社は、この3社に借りるか、パケット交換網で回線交換網をエミュレートするかしかできていません。もともとウィルコムはNTT東西にこの回線交換網を借りて回線交換サービスを行っていましたが、やはりコスト削減と自由なサービス展開のためには自前の網に移行しなければなりません。そのために、IP網上に擬似的に回線交換網を作って、これを新たな音声回線交換サービスの基盤としました、というのは有名な話。

確かに、音声通話くらいなら、回線交換をやめてもまったく問題ないわけです。十分なパケット網容量を用意しておけば、遅延も揺らぎもある程度抑えられますから、少なくとも人間の耳で簡単に看破できるほど品質が下がってしまうことはないでしょう。問題はデータ通信。しかもかなりシビアなエラー率要求と遅延要求を持つようなアプリケーションでは、このIPレベルの遅延揺らぎが致命的になることがありえます。そういった要求にこたえるべくウィルコムはPIAFSサービスをNTT回線交換のバックボーンで行っています。

もちろん、NTT回線交換網を使う以上はアクセスチャージがかかってしまうので、冒頭の要望「回線交換データも定額ファミリーに」は実現不可能です。もちろん、このタイプのサービスも必要なのですが、もっと個人向けにできることがないだろうか、と思うのです。つまり、基地局、あるいはITXくらいまでは回線交換でその後ろはIP、というようなサービスです。

実はこれには過去に実現した例があります。ひとつが、フレッツISDNで回線交換でありながら定額料金としたシステム、この場合は、回線交換をNTT交換局内で終端してしまい、そこから先はIP交換としていました。また、まったく同じシステムで、ドコモは@FreeDという定額回線交換PHSサービスを実現していました(結局コスト割れでしたが)。

ウィルコムの場合、交換局舎にすでにITXという装置を自前ですえつけていて、回線交換とパケット交換の変換を行っています。ということは、PIAFSの終端ソフトさえぶち込めば、ITXでPIAFSの終端も十分できるはずなんですね。ぶっちゃけ、PIAFSというか、フレックスチェンジなんですよ、ほしいのは。この方式は、もともとAO/DI機能としてISDNに備わっていたものを流用して、アクセスポイント側に切り替え装置を据え、パケット状態ではIP網を、PIAFS状態では回線交換網を、というように切り替えているものですが、この切替え装置をまんまITX内にソフト的に実現しちゃえばいいと思うんです。はっきり言ってウィルコムの最近のトラフィックなんてたいした量じゃないはずなので、ソフト的に作っちゃっても余裕なんじゃないかと思うんですよ、ITX的には。

となると、回線交換モードで使う「回線交換網」は、基地局とITXの間の「ドライカッパ」部分だけ、つまり、従量コストはゼロです。ほら、定額の範疇に入れそうじゃないですか。

もちろん、この場合、今までいろいろと議論してきた「パケット交換の不利点」は丸々残ります。バックボーンがIP網ですから。とはいえ、たとえば、エラー時の再送処理に無線部まで巻き込んでしまうのとそうでないのでは、これまた雲泥の差が出ます。ネットワーク部はパケットレベルの品質だけど、無線部はきっかり回線交換レベルの品質、というように分けて、パケット交換に無線を巻き込まないだけでもパケットの不利を相当和らげる効果があります。何よりパケットでの最大の不利である「遅延と揺らぎ」「エラー時のスループット大幅低下」は、遅延とエラーが発生する主要因である無線こそが引き金ですから、これをパケット網の外に追い出す、というだけでも相当大きな効果があると思われます。

もちろん、従来レベルの回線交換サービスは続けてほしいですし、おそらく今後PHSがLTEだとかさらに高度高速の通信に立ち向かっていくときのかなり強力な武器になるはず(NTTの回線交換プラットフォームを直接利用可能という意味で)なので戦略的にも捨てるべきではないと思いますが、それとは別に、個人や法人ライトユーザ向けにこういった「擬似回線交換」サービスも考えてほしいと思うのでした。でわ~。

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ウィルコムの個人向け3Gサービス発表!

2009/06/05

わーわー。ウィルコムが個人向け3Gサービス開始ですよ。しかも基本料0円なんていう攻撃的なプランで。

とりあえず最初に、誤解防止のための注意文。基本料は0円だけど、別途PRINの契約が必須(解約不可)なので、実質基本料は最低945円です。まぁ、ウィルコムもこういうびみょーな騙しテクを使い始めたなぁ、と、軽く流しておいて(ガビーン)。

と言っても、持ってるだけなら945円、使った月は6930円、ということで、プロバイダも含めるとドコモよりもすこーしだけ高いのですが、まぁそりゃドコモ網使ってるんだから、ドコモより安くなったらおかしいよね、くらいの話で、要するに、十分選択肢には入る価格なんですよね。

なんつっても、単なる維持費が安い。これでPRINも使った月だけ、とか、他のプロバイダも選択可能、とかだったら、それこそ「基本料0円」を大看板にしてもいいんですけど、PRINは必須で、ということだと、結局100円だかその程度の差なので、それほど「安い!」というほどでもありませんが、安いのは安い。だから、ドコモ定額データ+moperaUで使うことを考えれば、十分その対抗として考えてもいいかと思います。一方、私みたいにドコモ定額データ対応で「使った月だけ課金」を自動でやってくれるプロバイダを使っているなら、別に本家のドコモでもいっか、という感もあったりして。

難しいのは、イーモバイルとの比較。イーモバイルはプロバイダ相当分も含んで5000円未満ですから、上限額でざっと2000円の差があります。この2000円の差が、高速、広エリア、という価値観に見合うかどうかは、まさに個人の感覚。何せこのご時勢、2000円あれば、1000円の無料通話のついた携帯電話が2台維持できます。新ウィルコム定額プランのデータ定額料の上限が2800円ですから、新定額プランを持っているならその回線でデータ通信をまかなっても800円しか変わりません。

とはいえ、少なくとも、新つなぎ放題+イーモバイルスーパーライトプランを持っていたような人は、まとめて乗り換えてしまってもいい気はします。いや、私なんですけど(笑)。一応、ね、新つなぎ放題を使いつつ、もしそれでも帯域が足りないようなことがあったら困るから、ってんで、イーモバのスーパーライトを月1000円で維持しているわけですが、やっぱり両方持ち歩くのはなんともめんどい。しかもドコモのエリアは両方を足したよりもさらに広いし、速度はもっと速い。ただし、ドコモの定額データは一部のアプリに利用制限がある、という話があり、まぁ実質的に解除されているという話も聞くんですが、そんなに簡単に解除されうるということは同じくらい簡単に再び規制されてもおかしくないわけです。そんな状態でもしドコモ一本しか持っていなかったら、これはもう八方塞です。

しかしウィルコムのCORE 3Gは、ドコモ網でありながら、ウィルコムポリシー、つまり、規制無し。もちろん開始されるまでに今後規制されるという話がまた出てくるかもしれませんが、そうでなければ、一番使い出があるんじゃないでしょうか。それが、ドコモブランドよりもわずかに高い上限価格を納得させられるなら、あえてCORE 3Gでも良いんじゃなかろうか、という気がします。まぁもちろん、そういう規制の話を抜きにすれば、ドコモから直接買ったほうがサポートや新機種などの面で有利とはいえますけどね。

結局全く同じサービスをやるから単純な料金の多寡で比較されるのであって、問題は、せっかくウィルコムが提供するのに、PHSとの組み合わせサービスが提供されない、ということですね。別にデュアルカードを作れとか言うわけじゃないんですよ、たとえば、定額プランのマルチパックの対象になるとか、新定額プランのパケット料が割引になる(希望額:最大-2800円)とか、あるいは逆に定額プランを2回線以上持っていたら3G PRIN無料とか、そういう、「ウィルコムと一緒に使ってて良かった!」と思われるようなサービスを提供してほしかったですね。特に、今回は個人向けですから、こういう姑息な囲い込みは特に力を入れるべきだと思うのです。そうすれば、本家ドコモではなくCORE 3Gに目を向けてくれる顧客がそこそこいるでしょうし、音声市場では圧勝のイーモバイルの顧客を横取りさえ出来ちゃうかもしれない。今からでも遅くないので、こういう面でのコンバージョンをぜひとも考えてみてほしいところですね。

何はともあれ、開始が待たれていたウィルコム3Gの個人向けサービス。ついでに、音声はPHS、データは3G、というハイブリッドスマートフォンでも作って売り出せば相当売れそうな気がします。まぁそこまではさすがに期待しすぎにしても、今後のPHSとの組み合わせサービスに期待していきたいところです。と言ったところで本日これにて。

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技術は劣化する

2009/06/03

技術は劣化する

なんとなく、技術畑でずっとメシを食ってきた私が、最近、なんとなく漠然と感じていた不安感がきれいに言葉になっていて、思わず取り上げてしまいました。

そうなんです。技術を維持するのは、ただドキュメントを残してキャビネットに整理しておけば良いんじゃないんです。人的にも資本的にも並々ならぬ努力が必要なんですね。

ところが、最近、まぁ私はいわゆる移動体通信関連の技術のお仕事をしているんですけど、この周辺でも、技術の維持に対する努力が、徐々に失われているんです。これが、最近漠然と感じていた不安感の原因で、それを確認できたのがこの記事でした、ということなんですけど。

そう、はっきりと言われてしまえば確かに当たり前のことなんです、ほっとけば技術は劣化する、というのは。いくらドキュメントがあっても、それを読める人間、理解できる人間、形に出来る人間がいなくなってしまえば、ドキュメントに記載された技術は存在しないのと同じです。こういう形での技術の劣化が、移動体通信の産業界でも、最近徐々に進んでいることを感じます。

もちろんこれは移動体だけでなく、他の産業でも似たようなことが起こっていると推測できます。世界的な不況、もちろんそれに先立つ、日本国内での20年に及ぶ不況で、技術の維持に対する資本的リソースの拠出は極端に少なくなっています。あ、「日本で20年」というのは、私の感覚です。2001年から先日まで「戦後最長の好景気」なんて言われていましたけど、あれって単に株価の回復とアジアの好景気に引っ張られて、資産規模だけが膨らんで見かけ上好景気に見えていただけだと思うんです。まぁ要するに緩やかなバブルだったわけで、成長していた(ように見えた)のは、ほとんどがIT企業の皮をかぶった虚業会社、実業会社の技術に対する資本投下は極めて寒い状況が続いていたように感じています。

そして、ここに来て、携帯電話業界全体が、大きな減収局面に入ってきています。携帯電話物価が著しく下落し、収益が減り続けています。そうなると、ここでまた「技術の維持」に割かれるべき資本が、不足してしまう事態になってしまいます。いや、すでにそういう事態に突入している、と言えます。

携帯電話業界にとっての「技術」とは、端末のメインディスプレイの解像度やカメラの画素数、最大通信速度のことではありません。どのような端末であれ、動かなくなることがないこと、つまり、不具合やそれに伴う発売中止・回収などが必要ないこと、あるいは、通信速度の最大値ではなく最小値でも良いからつながらない時間がないこと、です。つまり技術とは「カタログを飾るスペック」ではなくて「動き続ける品質」です。

業界のデフレを直接的に招いたソフトバンク自身は、すでに障害頻発が常態。ドコモやauでさえ、最近、障害発生の頻度が上昇してきているように感じます。また、不具合による端末の発売中止、あるいは緊急アップデートなどももはや毎週何かが行われているほど。

このような業界の状況を見ていて漠然と感じていた不安は、冒頭の記事の「技術の劣化」という言葉で極めてクリアに理解できた気がします。

そしてその原因は、間違いなく、ここ2~3年の無理な値下げ合戦。なまじ利益のマージンが大きいために簡単に値下げが出来てしまうという状況が、確実にキャリアの技術の劣化を招いている、と考えられます。今でも覚えているんですよ、一番最初にソフトバンクが基本料980円、とやったときの感想。「そんな実入りでどうやってネットワークを維持するつもりなんだ?」と。そして、それに対抗してドコモ、auも基本料980円なプランを始めてしまいましたが、そのときも「え、あんたらも追随すんの?マジで?」という感想を持ったのを覚えています。

その結果、どうやら、「どうやってネットワークを維持するつもりなんだ?」の答えが分かってきました。つまり、最初から「まともにネットワークを維持するつもり」なんてなかった、ってことですね。ネットワークを維持する、というのは、単にネットワーク設備の減価償却費を損益計算書上に計上し続けることではありません。これこそ、「技術の維持」、つまり、ネットワークの技術を理解し構築し改良することの出来る技術、それを持った人、それを育て、あるいは待遇していくことです。

収益の減少は、こういった無形の価値にしわ寄せが行くことが多くなってしまいます。結果として、一番余裕のなかったソフトバンクがまずこの部分の価値を喪失し始めているのでしょう。しかし、この流れは、確実に、au、ドコモにも広がっていくと思います。

もちろん、一利用者として、携帯電話が安く利用できることは大変うれしいんです。ただ、一技術者としては、今の無理のある値下げ合戦は、確実に「技術の劣化」という形でしっぺ返しされるでしょうし、その結果、それほど遠くない未来に利用者に対して何らかの不便を強いるようになる、あるいは、そのような不便な姿が当然という、悲しい常識がまかり通るようになってしまうのではないか、という不安を感じているわけです。

結構仕事で海外をふらついていると、やはり日本の携帯電話の品質の高さを再確認します。こんな高品質の携帯電話ネットワークを、こんなに気軽に毎日使える日本人は、世界で一番恵まれているのではないかとさえ思うこともしばしばです。それが失われてしまうのは実に悲しいことです。

誰でも良いから、利用者に対して「品質」に価値を見出してもらうようプロモーションを行い、あえて値下げ合戦から一歩下がって、それでも利用者に支持を受けるような、そんなキャリアになってほしいと思うのですが、そんなキャリアは現れないものでしょうか。もちろん、品質というブランドは今ドコモの独壇場で、ドコモにこそ、そういう価値観の啓蒙の旗振り役になってほしいのですけど。私は、それがウィルコムであっても全く問題ないと思うのです。少なくとも、パケット定額制で使い放題、と言いながら裏ではあれもダメこれもダメこうしたら制限するよ、なんてやっているキャリアがやるよりは説得力があると思います。

いまさら技術の劣化を止める、というのは、もはや無理でしょう。おそらくこのまま緩やかに劣化していき、ケータイ二流国と同レベルにまで品質は落ちてしまうでしょう。すでに、二流国で流行っている、「耐用年限切れ(メーカによる保守・保証打ち切り)の設備を全く無関係の第三者が勝手に保守する」というビジネスが日本に上陸し、某社界隈で活躍しているようです。品質はこれからも落ち続けるでしょう。

これを止められるのは、消費者側が品質に対して高い要求を持ち、それに対して余計な利用料を払える、という価値観を持つことしかありませんが、時代はその間逆に進んでいます。実に残念なことです。ということで、私自身も明日もまだ技術者としての職があるかどうかにおびえながら、自分のできるだけの技術を守って生きたいと思う所存。それでは。

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ヒラメケータイに関する技術的一考察

2009/06/01

先日、最近の端末は薄さばかり追及して投影面積はぜんぜん小さくならない、むしろ平均的に見れば拡大している、ということをさして、「ヒラメケータイ化」として、ちょっと苦言を申し上げました件。

店頭でモックを見ても、やはりどいつもこいつもヒラメケータイ。そりゃ確かにヒラメは刺身もよし煮つけもよしから揚げもよし、で美味しい魚ですけど、ヒラメばかりじゃやっぱり辟易しちゃう。スーパーのお魚コーナーがみんなヒラメばっかりだと嫌になりますよ。たまにはアジもイワシもサンマも食べたい。むしろ私はアジ派です、って人も多いと思いますよ。ところが、そういう端末をとにかく誰も作らなくなっちゃった。ウィルコムを除いて。

確かに、薄いケータイってのは、需要はあるんです。需要は大きいと言ってもいい。薄いというだけで、ポケットやかばんの収納への納まりが良いですし、そのかばんを何かにぶつけたりするシチュエーションを考えても、薄い端末には圧力が集中しにくい。だから、単に携帯性を考えれば、薄さを追求するのは確かに理にかなったトレンドではあります。

ところが、実際に手に持って使うときは、逆にある程度の厚みがあったほうがいい。この厚みは、絶対的な厚みというよりも、横幅との比率。端末の長手方向に垂直な面で切った断面のアスペクト比が重要なんです。薄くするんなら、それなりに横幅も小さくしないと、どうしても支える指(人差し指~小指)と操作する指(親指)のバランスが悪くなっちゃう。

ほんと、「ヒラメケータイ」は、本当にどうしてこんなのでみんな我慢してるんだろう、と思うような掴み辛さ。またまた任天堂を例に出してはアレですけど、Wiiリモコンが誰にでも受け入れられたのは、やはり幅がどんな年代性別体格の人にもしっくりとなじむから。Wiiリモコンの幅は約37mm。また、いくつかの家庭用コードレス子機の大きさを調べてみたら、大体35~45mmくらいになっています。「誰もが手に取る家電」という立場で見れば、やはりこの40mm前後くらい、という大きさがベストであるということが分かるかと思います。もし、Wiiリモコンやコードレス子機が幅50mm、厚み10mmだったら、間違いなく大ゴケしたでしょうね。

では、もう少し技術者としての考察。なぜ、最近みんな「ヒラメケータイ」なのか、と。なぜ投影面積は減らない、むしろ増える傾向にあるのか、と。

答は簡単で、「無線機積みすぎ」。最近のケータイは、もちろん携帯電話の無線機、に加えて、GPS、Bluetooth、ワンセグ、Felica、Wi-Fi、とまぁ、ざっと思いつくだけでもこれだけ乗っかってます。もちろん機種によりあったりなかったりではありますけど、Felicaはほぼ標準、ワンセグは大半、BluetoothとGPSもかなりの機種が対応しています。

そしてこれは私の持論ですけど、無線機の性能は大きさに比例します。無線機というのは、ベースバンド、変復調回路、アンプからアンテナまで全部ひっくるめて、ということになりますけど、特に、アンプとアンテナの大きさ依存性はかなり厳格だと思っています。またよく、異なる方式のアンテナを共用、ということをやりますけど、この場合、それぞれの方式向けにそこそこの性能のアンテナを複数積むのと、両方を共用して同じくらいの性能をたたき出すのでは、原理的には同じサイズが必要だと思っています(もちろん実装上のデッドスペースなどの分は損得がありますけど)。

そういう視点で見るなら、つまり、たくさん無線機を積むということは、それだけたくさんの「空間」が必要、特に、無線機の性能はその表面積により強く依存する傾向がありますから、とにかく「小さな体積でたくさんの面積を稼ぐ」ことが、無線機の性能向上につながります。たくさんの面積を稼げる形状というのは、究極的には「厚さゼロの平面」です。厚さがゼロなら、隣の別の無線機への電磁的熱的干渉もゼロですし、しかも、有限の断面積があれば、それに比例した性能を出せます。厚さゼロの無線機を平面状に並べていくのが、無線機の性能を稼ぎつつ体積を最小に出来る究極の方法といえるわけです。

ということは、無線機はとにかく横に横に広く実装していくのが、性能を稼ぐのに有利。複数の無線機を積むのなら、それを縦に積むよりは横に押し延べていくほうが有利。


縦積みにすると性能を左右する「外に面した表面積(青矢印)」に対して、隣りの無線機との干渉を左右する「隣の無線機に面した表面積(赤矢印)」が大きい。


横積みは、縦積みよりも「外界に面した表面積」を大きく出来る。かつ、隣との干渉面を減らせる。

ということで、なぜ世の中のケータイがヒラメケータイばかりになっていくのか、について、ある程度の理由が分かったような気がします。とにかくやたらとたくさんの無線機が当たり前のように搭載されるようになってきたけれど、それらがお互いに悪影響を与えないように、かつ、きちんとした性能が出せるように、という配置を考えると、投影面積を広くしてなるべく縦にかぶらないように横に並べていく、というのが、理想だから、と言えます。実は、メインディスプレイのサイズがやたらと大きくなりつつあるのはその副産物に過ぎないのではないか、なんていう極端なことさえ考えてしまいます。

そんなわけで、じゃぁ、ヒラメじゃないケータイは結局、ワンセグとかBluetoothとかGPSとかおサイフケータイとかがついてないってことで、それでいいんすか?ってなことになっちゃうわけですが・・・あー・・・別に、いいなぁ(笑)。うん、そんな余計な機能いらないから、45mm以下の横幅の端末、一つよろしくお願いします>携帯電話各社様。

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